減水予測巡る説明を問題視 静岡県有識者会議、ＪＲ東海に追加意見送付【大井川とリニア】
静岡県は２５日までに、リニア中央新幹線工事に伴う南アルプス自然環境への影響を議論している県有識者会議「環境保全連絡会議」生物多様性専門部会の委員からの追加意見をまとめ、ＪＲ東海に送付した。自社による大井川上流域の減水予測ではなく静岡市の実施した減水予測を引用し、生態系への影響を説明する同社の対応などを問題視した。
同社は専門部会で、上流域の地下水位低下を予測した地図を示していて、環境影響評価（アセスメント）で採用した自社の予測ではなく、静岡市の予測を強調して説明している。静岡市の予測はＪＲの予測よりも水位低下の影響範囲を狭く見積もっている。
これに関し、板井隆彦部会長（静岡淡水魚研究会長）は「ＪＲ東海自身のモデル（予測）の説明を省き、静岡市の作成したものをそのまま引用することについては何らかのコメントが必要ではないか」と指摘した。
また、トンネル掘削時に破砕帯（岩石が砕かれ、水を多く含む地層）が確認された場合に「（水の噴出を止めるための）薬液が破砕帯にどのように注入されるのか、注入しても固まらないことはないのか」と疑問を呈した。
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