東海軒「元祖鯛めし」冷凍通販 ネットで全国の駅弁ファンへ

 駅弁の老舗、東海軒(静岡市、平尾清社長)は、約120年前から販売する看板商品「元祖鯛(たい)めし」の冷凍弁当をネット通販で展開する。コロナ禍で駅構内での販売の苦戦が続く中、全国の駅弁ファンらにターゲットを広げる。

東海軒が冷凍の鯛めしで使用するため、復刻した過去の掛紙
東海軒が冷凍の鯛めしで使用するため、復刻した過去の掛紙
東海軒が復刻した1897年製の掛紙と、120年販売を続けてきた「元祖鯛めし」=静岡市駿河区
東海軒が復刻した1897年製の掛紙と、120年販売を続けてきた「元祖鯛めし」=静岡市駿河区
東海軒が冷凍の鯛めしで使用するため、復刻した過去の掛紙
東海軒が復刻した1897年製の掛紙と、120年販売を続けてきた「元祖鯛めし」=静岡市駿河区

 鯛めしはしょうゆで炊いた桜飯と甘辛く煮た鯛そぼろが特徴。新型コロナウイルス感染拡大を受けて昨春以降、駅弁需要がコロナ前の50%に激減していることから、アフターコロナを見据えた企業変革の一環として、冷凍版の開発に乗り出した。
 開発とともに着目したのが駅弁の包み紙「掛紙(かけがみ)」。特に明治から昭和初期の掛紙には、駅周辺の名所案内を記したガイドブック的な内容が含まれ、収集家も多い。そこで、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)を活用し、京都の印刷包装資材会社「藤沢萬華堂」と共同で、明治時代の掛紙を手彫りの木版画で復刻。ほかにも数十種類の掛紙を再現し、冷凍弁当の特典とする予約販売を29日まで行う。
 平尾社長は「コロナ禍で駅弁は厳しい状況が続くが、全国の駅弁ファンや自社が守ってきた伝統を再認識するきっかけになった」と強調。「鯛めし以外の冷凍弁当開発など新しい試みを進め、時代に合った形で伝統や駅弁文化を継承したい」と話す。

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