劇物検出「やはり」「ショック」 住民や専門家の反応【サクラエビ異変 母なる富士川】

 駿河湾産サクラエビの不漁を契機に静岡、山梨両県が実施した富士川の合同調査で、凝集剤の成分が変化して生じる劇物アクリルアミドモノマー(AAM)が検出されたとの17日の発表を受け、住民や専門家の間では驚きの声と「やはり」とする声が交錯した。両県は採石業者による高分子凝集剤入り汚泥(ポリマー汚泥)の不法投棄の影響をさらに調べる。

 ■「富士川病」 
 川に長く漬かると皮膚がただれる人がいて、流域ではポリマー汚泥由来のAAMが関係しているのではと、ますます疑いの目が向けられている。「7~8年前から川に漬かると足の指と指の間がただれる症状が出て、痛くて靴が履けなかった」。富士川でラフティングガイドを十数年務める男性(38)はそう証言した。
 同僚の約10人のうちほぼ全員が同じ症状を発症。ラフティング関係者らの間で「富士川病」と名付け、水から出たら川用のサンダルをすぐに脱ぐようにしたところ、数年前から症状が和らいだ。
 市民からの河川環境改善を求める請願を7月に採択した富士宮市議会の近藤千鶴市議は「富士川の水で皆稲作をしている。本当にショックで、国と両県にはさらなる対応を求めたい」と訴えた。

 ■魚毒性凝集剤
 17日に県生活環境課が開いた会見で、担当者はAAMについて「通常、自然界にはない」とし、検出された流域3地点4サンプルに含まれる量は生物に影響が出る指標を下回っていると強調した。
 ただ、今回、大学教授などの意見を仰がず行政サイドだけで決めたという調査地点数は、凝集剤の影響がないとみられる対照地点を除くと、雨畑川の不法投棄地点から河口までの約50キロで10地点にとどまる。
 富士川水系ではさらに、アクリルアミド系よりも魚毒性の高い凝集剤が2019年5月までの10年間に8トン近く流出していて、生態系への影響が危惧されている。
 (「サクラエビ異変」取材班)

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