BCビアトレーディング(静岡市駿河区)草場達也さん カナダと日本橋渡し【しずおかクラフトビール新世代⑮】

 カナダのクラフトビール輸入業者の先駆けとして知られる草場達也さん(32)。2016年に東京で輸入販売会社BCビアトレーディングを起こし、20年11月に静岡市駿河区用宗に本社を移した。「静岡の人は、地元の醸造所にすごく愛着を持っている。全国的に見てもクラフトビールの消費が多い街。ここへ来るのは必然だった」

「ビア・アウル」で生ビールの状態を確認する草場達也さん=8月上旬、静岡市葵区
「ビア・アウル」で生ビールの状態を確認する草場達也さん=8月上旬、静岡市葵区
「New Growth ペールエール」(右)と「TrashPanda」
「New Growth ペールエール」(右)と「TrashPanda」
「ビア・アウル」で生ビールの状態を確認する草場達也さん=8月上旬、静岡市葵区
「New Growth ペールエール」(右)と「TrashPanda」

 同市清水区でのビールイベント出展をきっかけに19年、葵区駿府町にクラフトビール専門の酒販店「ビア・アウル」を開店。あっという間に市内のビールファンに浸透した。自社倉庫を市内に整え、商材の到着先も東京港から清水港に切り替えた。本社移転は自然な成り行きだった。
 留学先のカナダ東部の都市トロントでクラフトビールの味を知ったのが約10年前。帰国後は情報技術(IT)や音楽関係の仕事をしながら、起業構想を練った。クラフトビールをなりわいにする決意は16年、同じカナダの西海岸で固まった。
 キーマンはバンクーバーの醸造所「パラレル49」の醸造士塚田洸さん(34)だ。「バックパッカーとして世界中を旅していたときに紹介された」。同地には当時、醸造所が約30カ所あったが、塚田さんのビールは特別だった。「試験醸造のビールが、それまでに飲んだ世界中のビールと比べて、ぶっちぎりでうまかった。彼のビールがいつでも飲める環境を日本につくりたくなった」
 お互いの理念が一致し、共同経営体制で起業することになった。塚田さんは今も、パラレル49で醸造に携わる。草場さんは静岡で、パラレル49を含めたバンクーバーとその周辺の5社のビールを輸入販売する。太平洋を挟んだユニークな仕事のありようだ。
 草場さんは「彼らは海を越えて運ばれても品質が落ちないビールを必死につくっている。いずれは静岡の居酒屋ならどこでも飲めるようにしたい」と将来像を描く。腕の良い醸造家が多い本県に大きな可能性を見いだす。「買ってくれた人のお休みを楽しくするのがビールの役目。クラフトビールを静岡の日常に溶け込ませたい」

 ■New Growth ペールエール
 ■TrashPanda ヘイジーIPA

 酒販店「ビア・アウル」で扱うカナダビール2本。「New Growth ペールエール」はブリティッシュ・コロンビア州屈指の人気を誇る醸造所ドリフトウッドによる、ともにカナダ産のモルトとホップを使ったペールエール。鮮烈なホップの香りが特徴で、かんきつのようなフレーバーと、新鮮な青草のようなフレーバーがバランス良く漂う。
 アライグマのイラストが印象的なパラレル49の「TrashPanda」は、アルコール度数5.5%と、通常より軽めのヘイジーIPA。ドライな口当たりと、果実のようなホップの香りが際立つ。

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