傾聴の技術、心構え学ぶ 函南町職員、自殺予防へ研修会
函南町は24日、職員を対象にしたゲートキーパー養成研修会を町役場で開いた。約30人が受講し、自殺願望者やうつ病患者への接し方、傾聴の心構えなどについて学んだ。

講師はエムオーエー奥熱海クリニックの佐久間哲也院長。脳内ホルモンの低下によって発症するうつ病は身体の病気と同様に「情けなくも恥ずかしくもない」と指摘し、諦めやプライド、不信感などの「ゆがみ思考」によりSOSを出さなくなる傾向を説明した。感情や表情、行動の異常による自殺の予兆についても触れ、いじめや子育てなど原因に応じた自殺の予防相談窓口を紹介した。
周囲の接し方として「傾聴」の重要性を強調。沈黙に慣れる、賛同と理解、繰り返しと言い換え―など、心を込めて相手の話を聞く技術、心構えについて説明した。傾聴により気持ちが軽くなり、自己肯定感が生まれるなどの効用があるとし、「話すとは放すこと。相手を肯定し、共感することが大切」と呼びかけた。