障害福祉の道、踏み出す力に 浜松のNPO、就労を後押し

 障害者支援に取り組む認定NPO法人「クリエイティブサポートレッツ」(浜松市中区)が、重度知的障害者らの生活を支えるヘルパー人材育成に乗り出した。外国籍や新型コロナウイルス禍で収入が不安定になった人を対象に、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)をスタート。福祉に携わりやすい環境づくりを目指すとともに、現場への就労を後押しする。

強度行動障害支援者養成研修に取り組む参加者=7月上旬、浜松市中区
強度行動障害支援者養成研修に取り組む参加者=7月上旬、浜松市中区

 「アッサーラム・アレイクム」。7月上旬、同区の多目的施設で開かれた養成研修。アラビア語の「こんにちは」など、聞き慣れない外国語が講師の口から飛び交った。
 外国語のあいさつは、気持ちや意見を表現することが困難な状況を、聞く側として疑似体験してもらうために講師側が用意した研修教材。受講生は困惑した表情を浮かべながらも、何とかコミュニケーションを図ろうと耳を傾けた。
 研修を通じて自閉症や重度知的障害の状況を想像した受講生は、当事者が不安やストレスを感じた時に引き起こす「強度行動障害」についても学んだ。
 「自分の思いがうまく伝わらず、ストレスを感じることは誰だってある」。こう受け止めたのは受講生で、音響制作の仕事に携わる上山朋子さん(49)=同区=。コロナ禍で仕事量が減少。空いた時間を使って何かできないかと考え、参加を決めた。上山さんは「少しずつ理解を深め、自分なりの関わり方を考えたい」と話す。
 レッツは市内で障害福祉サービス事業を展開するほか、重度知的障害者の表現活動を核とした文化施設を運営する。スタッフの経歴はさまざまで全員が福祉の専門分野を歩んできたわけではない。飲食や自営業などダブルワークで働くスタッフも在籍し、利用者との関わり合いを通じて専門性を高めている。
 研修を企画したスタッフの夏目はるなさん(44)は「コロナ禍で一人一人が支え合いながら社会を形成する重要性が増している。福祉人材の育成にもつなげたい」と強調する。

 ■9月から研修
 認定NPO法人クリエイティブサポートレッツは9月から12月までに開催する、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)の受講生を募集している。福祉の未経験者が対象で参加無料。
 強度行動障害の事例や障害福祉サービスに携わるための基礎的な知識、支援計画の立案方法を座学と実習で学ぶ。修了者は重度知的障害者への訪問介護や外出介助を担うヘルパーとして働くことができる。
 会場は浜松市内。いずれも2日間の日程で定員は各回20人。9月はポルトガル語通訳付きで実施する。福祉施設の関係者や福祉系の学校に在籍する学生は対象外とする。問い合わせは同団体<電053(451)1355>へ。

いい茶0
メールマガジンを受信する >