熱海土石流 被災者の体力低下防ぐ 静岡JRATが診察や支援

 熱海市伊豆山地区で発生した大規模土石流災害で、市が避難所として確保したホテルには発生から1カ月近くたった今も、328人が身を寄せる(30日現在)。避難生活の長期化で被災者の体力低下が懸念される中、リハビリテーションの専門医療チーム「静岡JRAT」が身体機能維持や生活環境の向上に取り組んでいる。

健康チェックを行う静岡JRATのメンバー=熱海市内(静岡JRAT提供)
健康チェックを行う静岡JRATのメンバー=熱海市内(静岡JRAT提供)

 静岡JRATは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士らのリハビリ専門職と、医師でつくる医療チーム。被災地JMAT(日本医師会災害医療チーム)の一員として21日に現地入りした。
 2016年の発足以来、県内への派遣は初めて。避難者が生活する熱海金城館とウオミサキホテルで連日、要支援者の診察や支援に当たっている。
 静岡JRAT代表で浜松医科大付属病院リハビリ科の山内克哉医師(52)によると、ホテルでの避難生活は新型コロナウイルスの感染対策に効果的な一方、運動量が日常生活に比べて激減する傾向が確認された。体力が低下した避難者は多く、災害前は不自由なく日常生活を送れていた高齢者が避難生活で数メートルの歩行も困難になったケースがあるという。
 JRATのメンバーはこうした被災者のもとを巡回する。リハビリで体を動かす機会を設けたり、体が不自由な人が移動しやすいよう室内の備品配置を調整したりするなどして、被災後の二次的な健康被害の防止を図る。
 現地で活動した共立蒲原総合病院の理学療法士和泉謙二さん(58)は「専門職が入ると、避難者の状態の見極めが早くできる。普段と近い生活を送れるよう、支援できることは多い」と手応えを語る。
 JRATの活動予定は当面、8月1日まで。避難者が地域のリハビリ施設やデイケアサービスなどを利用できるように、引き継ぎの調整も進めている。山内代表は「避難者が元の生活にスムーズに戻れるようにしたい」と強調する。

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