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川勝氏得票率、大井川流域が上位 市区町別 県全体は「西高東低」【静岡県知事選】

 20日に投開票された静岡県知事選の市区町別の得票数は、新人の前参院議員岩井茂樹氏(53)=自民推薦=を破って4選を果たした現職の川勝平太氏(72)が、熱海と東伊豆の2市町以外で岩井氏を上回った。得票率の上位10市区町は大井川流域がほぼ独占した。川勝氏が支持を集めたリニア大井川水問題の影響とみられる。県全体では中部、西部の得票が高く、東部、伊豆が低い「西高東低」の傾向が見られた。

2021年知事選・川勝氏の得票率
2021年知事選・川勝氏の得票率

 市区町別に川勝氏の得票率を見ると、流域10市町のうち御前崎市を除く9市町が上位10位以内に含まれた。トップは吉田町の70・86%(前回選比6・21ポイント増)で、次いで島田市の69・86%(8・06ポイント増)、菊川市の69・47%(3・34ポイント増)と続いた。流域10市町の得票率はいずれも前回選より3ポイント以上伸びた。
 得票率の地域傾向は、前回選となる4年前の「東高西低」とは対照的な様相を見せた。前回選は上位10市区町に伊豆地域7市町が入った。川勝氏の対抗馬が県西部出身の溝口紀子氏だったため、東部や伊豆で川勝氏の得票が相対的に伸びたとみられる。
 逆に今回選は東部や伊豆で川勝氏の得票率が下がった市町が多かった。東部や伊豆を地盤とする岩井氏が立候補し、川勝氏の得票が相対的に抑えられたという見方がある。
 今回、川勝氏の得票率が最も低かったのは東伊豆町の43・94%(16・97ポイント減)で、熱海市は47・73%(13・66ポイント減)、御殿場市は51・53%(11・87ポイント減)だった。
 前回選と比べて得票率が最も上昇したのは静岡市葵区の10・13ポイントで、同市駿河区の8・59ポイントが続いた。両区とも前回選は、川勝氏と田辺信宏静岡市長の関係が争点となり、対抗馬溝口氏の得票を下回った。
 (政治部・大橋弘典、杉崎素子)

 ■識者コメント リニア問題が影響
 前山亮吉県立大教授(政治学)の話 川勝平太氏は東部や伊豆で得票を減らしたが、岩井茂樹氏の得票が川勝氏を上回ったのは熱海、東伊豆のみという事実がより重要だ。12年前は「西高東低」の傾向が明らかにあったが、川勝県政はそうした地域差すら集票で克服したように見える。大井川流域で川勝氏の得票率が高いのはリニア問題の影響が考えられるだろう。

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