特集 : 函南町

伊豆半島相次ぐメガソーラー計画 知事選候補主張に住民注目

 大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設計画が、伊豆半島で相次ぎ浮上している。国策として普及が進む再生可能エネルギーだが、森林を伐採して建てられる巨大なソーラーパネルが景観を阻害し、防災上の安全を脅かすとして各地で住民が反対運動を展開する。20日投開票の知事選に出馬した2候補は地元の意向を無視した計画に異を唱え、双方の主張に住民の注目が集まっている。

森林を伐採して太陽光発電所を建設する計画の事業用地=函南町(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)
森林を伐採して太陽光発電所を建設する計画の事業用地=函南町(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)

 65ヘクタールの山林に約10万枚の太陽光パネルの設置が計画されている函南町軽井沢。都内の開発業者が申請したメガソーラー事業で、県は一昨年に林地開発の許可を出した。
 計画では、大雨に備えて2万4千トンの保水力を持つ調整池を活断層の上に設ける。近くの沢の下流には小学校が立地し、住宅が広がる。「土砂が崩れてきたらひとたまりもない」。地元住民の反発は大きい。
 伊豆地域では同町以外にも下田、伊東、伊豆、河津の各市町でメガソーラー計画が立ち上がっている。2020年度から県条例に基づく環境影響評価(アセスメント)が義務づけられ、各市町でも事業に規制をかける条例制定の動きが進む。ただ、これまで事業の阻止に至った例はなく、県幹部も「林地開発許可の審査や環境アセスでは事業は止まらない」と打ち明ける。
 一方、伊東市のメガソーラー事業を巡る4月の東京高裁判決は反対理由を示さない市を敗訴としたものの、根拠に基づき事業に必要な河川占用を不許可とする行政の裁量権を認めた。事業の反対運動に大きな“追い風”となる可能性もあり、住民からは政治の力に期待する声が高まる。
 知事選に出馬した現職川勝平太氏(72)、前参院議員の新人岩井茂樹氏(53)=自民推薦=とも告示後に函南町を訪れ、演説でメガソーラー開発に伴う問題を取り上げた。両候補の主張を聞いた同町の男性は「知事として具体的に何をするのか。しっかり見極めたい」と話した。
 (三島支局・金野真仁)

 両候補 “現場”函南で訴え
 ■川勝氏 「地域を守る勉強を」
 川勝平太氏は8日に函南町の事業用地を視察し、地元住民の前で開口一番「基本的に反対」と述べた。県の林地開発許可については「今の森林法は開発を許すようにできている」と法制度の限界を口にし、伊東市での東京高裁判決を挙げて「単に反対ではなく、なぜ反対か。みんなで勉強しながら地域を守ってほしい」と反対運動の高まりを呼び掛けた。

 ■岩井氏 「手続き厳しく確認」
 岩井茂樹氏は10日、街頭演説に訪れた函南町で林地開発許可を巡る県の対応を取り上げた。各市町の首長と県の意思疎通が不足しているとし、「県は現場の話を聞かずに決めている。県民目線、寄り添う姿勢がない」と批判。「まずは住民の声をしっかり聞く。これまでの手続きに瑕疵(かし)がないか厳しくチェックする」と強調した。

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