メディアアート発信の場に 熱海・ハコスコカフェでトーク

 熱海市の予約制カフェ「ハコスコカフェ」はこのほど、アートと科学の領域をつなぐ学者や芸術家4人によるトークイベントを開いた。最新テクノロジーの実験空間として6月開業した同カフェ。遠隔地から作品解説する「リモート在廊」を実践するなど、コロナ禍後のメディアアート発信にもつなげていく。

オンライントークを繰り広げる(左から)三浦さん、藤井さん、池上さん、evalaさん=熱海市伊豆山のハコスコカフェ
オンライントークを繰り広げる(左から)三浦さん、藤井さん、池上さん、evalaさん=熱海市伊豆山のハコスコカフェ

 テーマは「認知境界を超えるリモートリアリティ」。伝統工芸の継承に取り組む会社「ima」代表の三浦亜美さんが司会を務めた。同カフェ主宰の脳科学者藤井直敬さんが「人間は五感を越えたものを認知できないが、その境界を往来できれば人の体や意識に入り込めるのでは」と問題提起した。
 立体音響システムを駆使した作品を作るサウンドアーティストevalaさんは「暗闇で視覚を遮断し、高精細な音を体感する作品だが、視覚的な感想が多い」と反響を紹介。複雑系科学と人工生命が専門の池上高志東京大教授は「視覚情報が脳にあまり影響を与えない説もある。視覚が純粋な感覚を汚しているとも考えられるかも」と分析した。
 トークは都内で開催するテクノロジーアートの祭典「メディア・アンビション・トウキョウ」の一環で、トークの様子は生配信された。首掛け型のカメラ付き機器を活用し、都内にいるアーティストが作品を解説する「リモート在廊」も行った。藤井さんは「今後はホテルニューアカオ(同市)で進む、芸術家の滞在制作プロジェクトとも連動したい」と展望を語った。
 (東部総局・菊地真生)

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