あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 議会しずおか

環境改善、市議会に請願へ 富士宮市民ら「国の公正判断期待」【サクラエビ異変 母なる富士川】

 富士川中下流域に高分子凝集剤入りポリマー汚泥が残留している問題で、流域の富士宮市民らが同市議会に対し、下流域の河川環境改善を国や静岡県に求めるための請願を行うことが6日、分かった。7日にも請願書を提出する。6月定例会で審議入りし採択される見通しで、市議会が意見書を取りまとめ、菅義偉首相らに提出する。

富士宮市民らが提出する請願要旨
富士宮市民らが提出する請願要旨

 請願は小泉進次郎環境相が4月中旬の衆院環境委員会で「地元から相談があれば適切に対応する」との発言が後押しとなった。今後の国の対応が注目される。
 請願者は林業家でサクラエビ漁師の佐野文洋さん(49)=同市=のほか流域自治会の区長・町内会長8人と、芝川観光漁協やオトリ店代表の計11人。
 日本軽金属の売電目的の水力発電が富士川本流で著しい流量減を引き起こしたり、早川水系からの濁水流入や河床を覆う粘着性のあるポリマー汚泥の影響でアユの餌となるコケや川虫が生息できない状況になっていたりする現状を念頭に、請願書では「富士川の恵みで生活している住民にとって死活問題」と強調。濁りや泥の原因調査に加え、水利権更新時に山梨県だけでなく富士川下流域を持つ静岡県に意見聴取する必要性を訴えた。
 佐野さんは「ポリマー汚泥を片付ければ終わりではない。きちんとした手続きによって流量を取り戻したい」と力を込める。静岡、山梨両県は独自に調査に乗り出す構えだが、「国に公正なジャッジをしてもらいたい」と期待する。
 市議会では請願に議長を除く19人中14人が「紹介議員」として名を連ねる予定。紹介議員の一人、近藤千鶴氏は「富士川の問題の責任を誰も取ろうとしない。根っこには縦割り行政の弊害がある。これからが勝負」などと述べた。
 (「サクラエビ異変」取材班)

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

議会しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む