VR体験「ハコスコカフェ」 熱海に6月1日開業 地域に愛された商店を再生、完全予約制で

 VR(仮想現実)サービスの開発などを手掛ける「ハコスコ」(東京都)は6月1日、熱海市伊豆山にある廃小屋を再生した、完全予約制の実験カフェ「ハコスコカフェ」を全面開業する。同社の経営者夫妻が新型コロナウイルス禍を機に熱海に移した生活拠点の近くに物件を見つけ、整備した。遠隔でのコミュニケーションが急速に普及する中、最新デジタル技術の実験・体験の場として活用を図る。

廃小屋を改装し、最新科学の実験空間に再生した藤井直敬さん(左)と太田良恵子さん=5月下旬、熱海市伊豆山のハコスコカフェ
廃小屋を改装し、最新科学の実験空間に再生した藤井直敬さん(左)と太田良恵子さん=5月下旬、熱海市伊豆山のハコスコカフェ
グリッチタヌキ
グリッチタヌキ
廃小屋を改装し、最新科学の実験空間に再生した藤井直敬さん(左)と太田良恵子さん=5月下旬、熱海市伊豆山のハコスコカフェ
グリッチタヌキ

 かつて商店として地域に愛された築40年の廃小屋をカフェに生まれ変わらせたのは、同社代表で医学博士・脳科学者の藤井直敬さん(55)と妻の同社取締役太田良恵子さん(50)。同社が開発したダンボール製VRゴーグルにちなみ、内装はダンボールを敷き詰めた。ドリンクを提供しつつ、ギャラリーやレンタルスペース、ワーケーションへの活用を想定する。
 5月中旬からテクノロジーアートの祭典「メディア・アンビション・トーキョー(MAT)」のサテライト会場として、プレオープンしている。6月8日まで、遠隔地の相手の視点や香りを再現するVR装置や、自然音と人工音の重なりを体験できるイヤホンなど、現実とデジタルの境界が地続きに感じられる最新技術を体験できる。
 2人は2015年から伊豆山と都内の2拠点生活を送り、新型コロナの感染が広がった昨春以降は熱海に滞在している。藤井さんは「コロナ禍で物理的な接点が減った今、空間や時間を越えて体験を共有するための実験の場を作りたかった。ここを拠点に、科学研究と社会をつなげる仕事に取り組みたい」と語る。
 静岡市出身の太田良さんは1995年、同市中心部でインターネットカフェを開いた経験がある。「当時も実験的な試みだった。まさか再び地元でカフェオーナーになるとは」と感慨深げに話した。
 (東部総局・菊地真生)

 ■13日まで作品展
 ハコスコカフェは本格オープンする1日から、デジタルな質感で注目を集める信楽焼のタヌキの彫刻「グリッチタヌキ」などを手掛けるアーティスト中谷健一さんと中谷アロさん親子の作品展を開く。13日まで。予約はカフェのウェブサイトから。

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