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クラフトビール6社、組合旗揚げ 「聖地」目指し共同で仕入れ、市場開拓

 小規模醸造所が集中して全国有数のクラフトビール生産地になっている静岡県東部の製造業者など6社が28日、県内初で全国でも珍しいクラフトビール専門の協同組合を設立する。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外食や旅行の自粛ムードで、売り上げ減少に苦しむ中、共同して販売や仕入れなどに取り組む体制づくりに乗り出す。

「静岡クラフトビール協同組合」の設立に向け、打ち合わせする関係者=17日、沼津市内
「静岡クラフトビール協同組合」の設立に向け、打ち合わせする関係者=17日、沼津市内
静岡クラフトビール協同組合の構成
静岡クラフトビール協同組合の構成
「静岡クラフトビール協同組合」の設立に向け、打ち合わせする関係者=17日、沼津市内
静岡クラフトビール協同組合の構成

 クラフトビール製造に参入した大手メーカーとの競合に加え、コロナ禍で主に飲食店への卸売りが不振に陥るなど、各社は厳しい経営環境に追い込まれている。以前からイベント参加などで交流があった各社は、団結して危機を乗り越え、地元業界と地域を盛り上げようと「静岡クラフトビール協同組合」の設立を決めた。
 初代理事長に就任予定の片岡哲也柿田川ブリューイング社長(36)は「県東部は富士山の湧水に恵まれた地域。クラフトビールの聖地を目指す。将来的には全県で仲間を増やしたい」と意気込む。
 新組合は新たな販売チャンネルとして各社のビールや関連雑貨を扱うホームページを作成する予定。製造の際に出るモルトかすを組合が買い取り、飼料として販売することで新たな収益も確保する。
 モルトやホップなどの原材料や資材をまとめて購入することで、仕入れコストの削減につなげる。イベント開催などを通じて、情報発信や業界の交流促進も図る。リパブリューの畑翔麻代表社員(30)は「国内ビール消費量のうちクラフトビールはわずか3%。消費が拡大する余地は十分にある。ローカルながらも多彩なクラフトビールを発信し、市場を開拓したい」と説明する。
 設立に向けた手続きは県中小企業団体中央会が支援した。押尾昌俊東部事務所長(48)は「組合になれば仕入れ先との交渉力や行政への発言力も強まる。このビジネスモデルがうまくいけば、全国的にも注目される」と期待している。
 (東部総局・八木敬介)

 

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