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「渇水年」説明問題 JR東海社長「本質的でない」【大井川とリニア】

 27日の定例記者会見でリニア事業遂行の姿勢を改めて表したJR東海の金子慎社長は、工事に伴う大井川の流量減少問題を議論する国土交通省専門家会議で、気象庁の設定した平年値を上回る降水量があり、取水制限が行われなかった2012年を同社の担当者が「渇水年」と説明していたことについて「本質的ではない話だ」と述べ、問題があるとの指摘は当たらないとの認識を示した。
 JRは専門家会議で、12年の降水量データを用いて工事の影響を予測し「渇水期に流量は維持される」と結論付けた。利水者は12年のデータではなく、雨が長期間降らない厳しい条件で予測するように求めている。
 金子社長は「言葉遣いは不適切だったかもしれない」としながらも、この問題を取り上げた本紙の記事について「本質的に何が大事で、何が大事でないかを、全体として考えた時にバランスを失している」と批判した。
 リニア開業時のメリットとしてJRが説明する東海道新幹線の県内駅への停車回数増加については「いい形にしたい。技術的に検討する」と述べた一方、増加本数の割合は「静岡県の人にメリットを感じてほしい気持ちはあるが、確定的なことを申し上げて、やはりできなかったというのは良くない」と明確に答えなかった。
 静岡市葵区の県道三ツ峰落合線トンネルや林道東俣線など工事用道路の整備もメリットの一つに挙げた。

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