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テーマ : 三島市

没後5年 いのちの鼓動を描く 日本画家・堀文子 20日から三島・佐野美術館で回顧展

「幻の花 ブルーポピー」2001年
 「花の画家」と呼ばれた日本画家堀文子(1918~2019年)の画業80年を振り返る回顧展「没後5年 いのちの鼓動を描く―日本画家・堀文子」(佐野美術館、静岡新聞社・静岡放送など主催)が20日、三島市の同館で開幕する。堀は世界中を旅し、動物から花木、微生物まで、さまざまな命の形に人智を超えた美しさを見いだし描いてきた。展覧会は、代表作をはじめ、旅先のスケッチなど約60点を自身の言葉と共にたどる。長年親交があった画廊「ナカジマアート」(東京)の中島良成社長に、その人柄、創作に対する熱意を語ってもらった。
堀文子
 60代の頃から100歳で亡くなるまでの三十数年間、堀文子先生と公私にわたって親しくお付き合いさせていただきました。
 堀先生はいつお会いしても好奇心の塊で、科学者の目で自然や物事を観察し、疑問を持ち、そこから学び、自分が驚き、感動したものを描き続けました。
 晩年は生と死について考えていることが多く、それをテーマにした作品を多く残しています。
 戦争の恐ろしさを体験した世代で、強い反戦思想の持ち主でもあり、権威、権力に近づかないようにして、自由に創作活動ができる環境に身を置くようにしていました。現代の人間のおごりに警鐘を鳴らしてもいました。
 このように書くと、真面目一辺倒なイメージですが、普段の堀先生はお酒が好き、遊ぶことも大好き、人とのお付き合いが大好きな方でした。人を楽しませることを常に考え、野暮[やぼ]が嫌いで、気っ風[きっぷ]がよく、江戸の粋を愛した人でした。
 「私は絵の達人にはなれないけれど、人生の達人になりたい」とよくおっしゃっていましたが、最近は残した言葉やエッセーなどから堀文子流の生き方や考え方に感動する方が年々増えているように感じます。
 「幻の花 ブルーポピー」や「アフガンの王女」など数々の名作を描かれた堀先生が、ひたすらに歩いた人生の道そのものが堀文子最高の傑作だと、私は思っています。
 堀文子が自身の人生を振り返って自ら記した言葉を紹介します。
「名もなきものシリーズ どくだみ 露草姫 小判草」2013年
 【私[わたくし]の生涯】
私はその日その日の現在[いま]に熱中し、無欲脱俗を忘れず、何物にも執着せず、私流の生き方を求めて歩き続けて参りました。これが私の生きた道です。
「アフガンの王女」2003年
「サミット」1997年
「梟」2006年
 ほり・ふみこ 東京都出身。女子美術専門学校(現女子美術大)卒業。1952年に上村松園賞。絵本や装丁も手がけ、72年にイタリア・ボローニャ国際絵本原画展で絵本「くるみわりにんぎょう」がグラフィック賞。74~99年、多摩美術大教授(のち客員教授)を務めた。画集、画文集多数。

「没後5年 いのちの鼓動を描く―日本画家・堀文子」  ■会期 20日~6月9日(木曜休館)
 ■会場 佐野美術館(三島市中田町1の43)<電055(975)7278>
 ■開館時間 午前10時~午後5時(入館受け付けは午後4時半まで)
 ■観覧料 一般・大学生1100円(19日までの前売り800円)、小・中・高校生550円(同400円)※毎週土曜と5月5日は小中学生無料
 ■学芸員のギャラリートーク 4月27日、6月1日午後2時※申し込み不要
 主催 佐野美術館、三島市、三島市教育委員会、静岡新聞社・静岡放送
 企画協力 ナカジマアート
 特別協力 堀文子記念館

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