沼津市議見聞広める活動始動 防災や環境、交通インフラ…6業種代表者らと意見交換
沼津市議会(28人、高橋達也議長)が全議員で見聞を広めようと始動した。市内各地や業界の現状認識の共有化へ関係者と初の意見交換会を開いたほか、周辺議会との合同研修も企画。地元に加えて防災や環境、交通インフラなど、広範にまたがる課題について理解を深め解決策を模索する。

「意外と知らないこともある」。4日、沼津市役所委員会室で開いた意見交換会。高橋議長は冒頭、活動の意義を強調した。議員は地元やつながりのある業界のことは精通しているが、専門外になると分からない点が多いとして、全議員で取り組むと明かした。
同日は地元を代表する水産業や観光業、商工業をはじめ、6業種の代表者ら11人を招いた。議員25人が出席し、6グループに分かれて話し合った。水産業のグループでは羽野水産(春日町)の羽野佳明社長が「数十年間ずっと逆風」と、地元市場の取扱量や収益が落ち込んでいる現状を説明。議員からはブランド化や地産地消を推進すべきとの意見が出た。
散会後、参加者同士が名刺交換したり、個別に意見交換の続きを始めたりする場面も。観光業のグループの1人として参加したホテルニューオータケ(高島町)の大嶽龍太郎社長は「じっくり話す機会がこれまでなかったので有意義だった」と次回に期待も示した。
先月23日には富士市議会との合同研修に臨み、両市の水害対策となる新たな放水路の現場などを見て回った。三島市議会とも7月14日に行い、同市議らが沼津市の新総合体育館を訪れ、スポーツによるまちづくりのあり方をともに考えた。
研修は女性や若者との懇談の機会を設けるなど内容を変えて継続する。高橋議長は「各議員の刺激になれば」と話した。
(東部総局・高橋和之)