地域つながる子育て支え 詩集「トツキトウカ」10周年 「ママとね」10月に記念拡大版
静岡県東部の子育て支援グループ「ママとね」を中心に発行する詩集「トツキトウカSHIZUOKA EAST」が10年目を迎える。「娘に孤独育児をさせたくない」「地域とつながった子育てをしてほしい」。育児の喜びだけでなく不安や苦しみも知るスタッフが、子育てに優しい地域の実現の一助になるよう10周年記念の拡大版を制作中だ。

毎年10月10日に発行する詩集は、妊娠中から1歳の誕生日を迎えるまでの赤ちゃんに宛てた県東部の母親や家族の詩を、心温まる家族写真などとともに掲載する。毎年2万部を発行し、県東部の市町での母子手帳交付時や子育て支援施設などで配布している。「これからが楽しみになった」「(移住者にとって)ウエルカム感があった」など、子育てに不安を抱く母親の心のよりどころとしても好評だ。
詩は育児の悩みや不安、つらさを抱えながらも、子育ての喜びやわが子へのいとおしさが感じられる作品ばかり。毎年厳選した20編前後を掲載し、100を超える作品が寄せられる年も多い。スタッフは自身の経験から子育てにおける共感の大切さを実感。「もうすぐ楽になるよ」「頑張れ」と勇気づけたい思いで「泣きながら」掲載作品を選んでいるという。
拡大版は通常の30ページから8ページ増やし、10周年企画を検討中。編集担当の野村理美さんは「多くの人に読んでもらえるよう、トツキトウカの魅力が伝わるようにしたい」と話す。
増ページ分の制作費をクラウドファンディングで8月31日まで募っている。詳細は「ママとね」のホームページで。
(三島支局・岡田拓也)