水害対策へ「雨庭」設置 三島商工会議所が実証実験 大雨時の貯留効果期待
三島市の三島商工会議所はこのほど、近年増加する水害対策の実証実験として雨水を緩やかに地中に浸透させる「雨庭」を同市長伏の丸善工業に設置した。効果を検証した上で会員企業や地域住民に取り組みを広め、水害に強いまちづくりを目指す。

同会議所のグリーンインフラ整備推進特別委員会が企画した。委員ら14人が、工場脇の空き地に縦3・6メートル、横1・5メートル、深さ0・4メートルの穴を掘り、水はけや排水性を高める土壌改良材や腐葉土を投入。掘り起こした土や溶岩で周囲を囲み、工場の雨どいからの導水路も付けた。花の苗を植えて彩りも添えた。降水量を10ミリと想定した場合、約200分の雨水がためられると試算する。
雨庭は屋根などに降った雨水を下水道に直接放流せず、一時的に貯留して流出量を抑制する仕組み。市内では初めての設置といい、同委員会の森崎祐治委員長は「持続可能な設備だと思う。庭としての楽しみ方もでき、企業だけでなく一般家庭にも広げていきたい」と話した。