古材をリノベに活用する「想いつむぎ」 青木工務店(三島市) 一点物の魅力を地域循環【静岡ものづくり最前線】
リフォーム工事や古民家の解体現場で発生する古材を引き取って建材としての価値を見いだし、一般住宅や店舗のリノベーション時に利活用を提案する。補修した古材を倉庫に集約して販売し、資源を地域内で循環させる。

解体現場から出る大量のごみを処理する度に「もったいない」と思っていた萩尾聡子社長。細工が施された魅力的な建具や素材は多く「なんとか生かしたい」と考え、新たな人の手に渡る仕組みを具現化した。リフォームでは施工を急ぐケースが多いが、萩尾社長は「古材があることで元々あった空間の魅力を引き出し、プラスαになる」と手応えを示す。
現代は既製品でつくる建築物が多い一方、古民家にある古材は一点物。沼津市の現場からは、千本松から富士山を臨む風景の細工が施されていた建具を回収した。地元ならではの古材を地域で循環させることで「作り手や住んでいた人の思いが未来に伝わっていくはず」と萩尾社長は話す。
模様の入った型板ガラスを使ったテラリウムづくりも行い、古材を生かしたものづくりの魅力を発信。口コミやSNSで徐々に広がりを見せ、取り組みに賛同する人から古材の引き取り依頼も出始めた。
企業情報 三島市南二日町1の28、1921年創業。従業員4人。