先輩の地元貢献の姿に憧れ 企業の課題解決を支える「OASTBLUE」社長 神田輝和さん(2007年度卒)【龍城 韮山高150周年 今昔物語⑫インタビュー編】
3月に地元企業や自治体の課題解決をクリエーティブの力で支える会社「OASTBLUE」(オーストブルー)を創業した。勉強、部活、龍城祭-。韮山高で過ごした青春の熱量を抱き、同窓生と共に地元への恩返しに力を注ぐ。
.jpg)
韮高の2期先輩である沢井富士彦さんが創業した「WACHAJACK(ワチャジャック)」の経営に2021年、参画しました。映画やゲーム、アニメなどで使用するデザインを指すコンセプトアートや映像の制作会社です。
沢井さん以外の創業メンバー3人は、通学路にあるたこ焼パパさんに入り浸っていた韮高の同級生。体育館、パパさん、部室の往復でした。先輩がお代を払ってくれる「つけ帳」の縁は、今もつながっています。またそんな場所を作りたいと、創業支援した三嶋大社前の菓子店いもとチーズで、たこ焼きとお酒を提供する「たこ焼きと大社」というイベントを月に1、2回開いています。
所属したバスケ部は龍城祭への熱量が高かったです。僕も体育祭で白組の団長を務めました。リレーでアンカー前を走り、全員を抜き去って白組が優勝した瞬間が、人生で一番声援を浴びた瞬間だと思います。バンドもやって、CDを作って龍城祭で売りました。
ワチャジャック創業当初から、全員が地元に貢献したいという思いを強く持っていました。コロナ禍には静岡の人に元気になってもらいたいと、CMを制作しました。でも、都内から地元に深く関わるのは難しい。同社に籍を残しつつ、唯一静岡県内に拠点を置く僕がオーストブルーを創業しました。企業や自治体の課題を一緒に掘り下げ、解決手段を一緒に考える「よろず屋」を目指しています。
地元貢献に興味を持ったきっかけは、在学中にシダックス創業者の志太勤さんが志龍講堂を寄贈したこと。きれいな講堂ができてむちゃくちゃうれしかった。誰もが知る会社を経営する先輩が、地元に恩返ししている姿が、かっこよく映りました。目標です。
昨夏、地域貢献の自主事業として取り組んだのが映像制作ワークショップ。学生と一緒に三島市で短編映画を制作しました。藤森圭太郎さん(同市出身)が監督した「しゃぎり」は、アジア最大級の国際短編映画祭に入選。撮影を通じて学生が地元の魅力を発見できたこと、三島の魅力を広く伝えられたことがうれしかったです。
韮高生は大学進学後、地元に戻る人が少ないです。若い世代に地元への誇りを持ってほしいし、そのための活動を続けたいです。
かんだ・てるかず 三島市出身。横浜国立大卒。静岡銀行入行後、「WACHAJACK」に経営で参画。今春、「OASTBLUE」社長に就任した。