最新技術でミニトマト栽培 小林宏敏さん(三島市)彩り豊か「嫌いを克服」【自然の仕事人】
日本一の富士山を仰ぎ、箱根西麓に位置する三島市。その市街地、三嶋大社の近くで、温暖な気候と富士山の伏流水を生かし、ミニトマトの生産に情熱を注いでいるのは、新進気鋭の生産者、小林宏敏さん(33)だ。

小林さんは、当地で代々農業を営む農家の7代目。大学卒業と同時に家業を継ぐことを決め、現在は就農して11年となる。幼い頃からやりがいを持って農業に励む父親の背中を見て育ち、いつか自分も挑戦してみたいという気持ちが芽生えたという。
父親の経験を受け継ぎながら栽培の基礎を学び、就農5年目には経営移譲され、若くして小林農園の経営主となった。顧客のニーズに合わせて生産量を拡大するため、新たに整備したハウスでは室内の温度や湿度等を制御する先端技術を導入し、最適な栽培環境を整えている。
小林さんの手で育てられたミニトマトは甘く、食べやすい。「トマト嫌いの要因の多くは青臭さや皮の硬さ。それらを少しでも取り除けるよう栽培方法や品種にこだわっている」と熱く語る。実際に小林さんのミニトマトを食べた消費者からは、「トマト嫌いを克服できた」という声が寄せられている。
小林農園では一般的な赤いミニトマト以外にも、ピンク、黄、オレンジ、紫など、色とりどりの品種を栽培している。JAのファーマーズマーケットで販売されるほか、学校給食や地元のレストラン、スイーツ店でも利用されているとのこと。
「食卓に彩りを添える食材で、見た目も味も異なるので、『お気に入り』を見つけるのも楽しい。ぜひ自分好みのおいしいトマトを見つけてください」と笑顔で語る小林さん。その情熱でキラリと輝くミニトマト、今晩の食卓に取り入れてみてはいかがか(青年農業士会東部支部)