水位確認や給水を遠隔で ICT活用のシステム導入 三島・安久地区
三島市安久地区の農家4戸が情報通信技術(ICT)を活用した水田の水管理システム導入を進めている。県東部農林事務所によると、複数の農家が一度に導入するのは珍しいという。水位の確認や給水が遠隔でできるようになり、農作業の省力化が期待される。

富山県のメーカーが開発したシステムを導入した。水田に取り付けたセンサーが水位と水温を測り、農家はスマートフォンのアプリで確認する。給水したい時もスマホを操作し、取り入れ口の自動給水栓のバルブを開く。あらかじめ設定した水位に達すると自動的に給水することもできる。一般的な水田の水管理は農家が定期的に見回って水位を確かめ、取り入れ口の止水板を外すかバルブを開けて給水する。複数の水田を所有する農家は数時間を要するなど負担が大きく、適切なタイミングで給水を止められず無効放流が起きることもあるという。
昨年度までの試験導入で有効性を確かめ、国や県などの補助金を活用して導入した。所有する14の水田に入れた高橋洋司さん(80)は「田植えや稲刈りは機械作業なのに水管理だけは人力だった。毎朝見に来る必要がなく楽になる」と話した。