静岡県内のGW人出伸び悩む 19年比28%減、コロナ前遠く
静岡経済研究所がまとめたゴールデンウイーク(4月29日~5月7日)集客動向調査によると、静岡県内観光施設や主要イベント(計247カ所)の人出は延べ661万9千人で、前年比37・9%増加した。新型コロナウイルス感染症の5類移行を目前に控え、社会経済活動の正常化が進む中での連休だったが、コロナ前の2019年比では28・7%減にとどまった。
俳優の松本潤さんらによる騎馬武者行列が好評だった浜松まつり(255万5千人)が最多で全体を押し上げたが、同まつりを除くと、期間中の人出は22年比13・1%減と振るわず。半数以上の施設やイベントで、前年実績を下回った。物価高による消費意欲の減退や期間中の雨天が客足を鈍らせたとみられる。
コロナ下で注目された近場を観光する「マイクロツーリズム」が一服し、遠方へのレジャーが回復基調にあることも伸び悩みの要因となった。近隣客が減少したことで、大半の百貨店・大型商業施設や、三島スカイウォーク(三島市)や焼津さかなセンター(焼津市)といった娯楽・体験型施設が前年割れとなった。
調査に対し、「受け入れ側の来場客対応への懸念を理由に、積極的な企画を見送った」といった声が上がるなど、深刻な人手不足でコロナ前と同様の営業ができない施設も多い。
首都圏をはじめとした主要観光地と比べ県内の集客が苦戦していることを念頭に、同研究所の担当者は「夏以降は観光地間の競争が激化する。適切な集客戦略が重要だ」と指摘した。