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“家康ビール”完成 久能山東照宮などゆかりの地から酵母 産学官連携「静岡の代表格に」

 静岡大の文理融合研究組織「発酵とサステナブルな地域社会研究所」(所長・大原志麻人文社会科学部教授)と、静岡市や静岡商工会議所などでつくる大河ドラマ「どうする家康」の活用推進協議会が開発を進めていた、徳川家康にちなんだクラフトビールがこのほど完成した。

タンクから試飲用のビールを取り出す福島代表=静岡市葵区のアオイブリューイング
タンクから試飲用のビールを取り出す福島代表=静岡市葵区のアオイブリューイング

 市内で醸造したビール3種は、アオイブリューイング(葵区)のゴールデンエール、静岡醸造(駿河区)のユズラガー、ホースヘッドラブズ(清水区)のペールエール。駿府城公園や久能山東照宮など家康ゆかりの地に生える植物から酵母を取り出し、発酵能力が高いものを選んで使用した。
 大河ドラマを契機に観光消費に資する商材を官民一体で創出しようと、昨年秋に始まったプロジェクト。本県の発酵食品の価値検証を目的に2021年に創設された同研究所の大原所長は「歴史分野の教員を中心に家康公に由緒のある場所を洗い出し、酵母を探した。活動を通じて、彼が長い時間を過ごした静岡市がいかに恵まれた土地であるかを深く知った」と産学官連携の成果に感慨を込めた。
 醸造を担ったアオイブリューイングの福島英紀代表は市内に醸造所が5社ある現状に言及し「『ビール大国』静岡でしか作れない商品の代表格として、将来につなげたい」と話した。
 推進協議会の事務局を担う市観光・MICE推進課によると、今回の醸造を踏まえ、別の酵母を使う第2弾も構想されているという。
27日お披露目 静岡でイベント
 お披露目イベントは、27日午前11時半から静岡市葵区の青葉イベント広場で開催。記念セレモニーのほか、ビールや軽食の販売も行う。式典には「どうする家康」に出演する俳優波岡一喜さんが参加する。入場は先着150人で、午前10時半に市役所静岡庁舎で入場整理券を配布する。ビールの販売は整理券不要で午後5時まで。
 ビールは330ミリリットル入り瓶で1本700円。28日以降は同区の静岡浅間神社境内のギフトショップで販売する。問い合わせは静岡市観光・MICE推進課<電054(221)1438>へ。

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