戦争体験を絵画に 浜松出身の画家中村さん、都内で新作展
浜松市出身の画家中村宏さん(90)の新作展「戦争記憶絵図」が16日から、東京・銀座の「ギャラリー58」で始まる。6月3日まで。浜松市で終戦を迎えた中村さんが、自身の戦争体験を描いた10点を展示する。

開催に先立ち、中村さんが関係者に作品解説を行った。空襲を描いた作品では、爆撃機を建物よりも極端に大きく描き、威圧感や恐怖感を表現した。米軍艦隊による遠州灘からの艦砲射撃を題材にした作品もあり、「砲撃の音と、夜空に反射した火柱の明かりを覚えている」と語った。当時拾ったという機銃弾の薬きょうも展示している。
中村さんは沖縄戦などをモチーフにした作品を発表したことはあったが、自身の体験を描くのは初めて。「終戦当時は12歳で、浜松大空襲では炎上する町を見て体が震えた。子どもとして見ていた戦争を、どこまでリアルに表現できるかやってみた」と話した。