三島発のウイスキー作りスタート 蒸留器に火入れ
三島市大社町の国登録有形文化財「懐古堂ムラカミ屋」を改装して立ち上げたウイスキー蒸留所で14日、蒸留器の火入れ式が行われた。2~3年後の商品化に向け、三島でしか飲めないウイスキーの製造がスタートした。
バーボンウイスキーの製造販売を手がける「Whiskey&Co.」(東京)が設立。市街地を川が流れる三島の街並みから水の竜をイメージし、蒸留所に「ディスティラリーウオータードラゴン」と名付けた。
製造するウイスキーは市民、市内限定で対面販売する。優先購入権として発行されるトークンを取得すれば市外からも買える。ウイスキーを媒介に三島との関係人口を増やす狙いで、この日は県外から大勢のトークン取得者が訪れた。加熱によって色が変化していく銅製の蒸留器の真新しい状態は今しか見られず、光り輝く姿を目に焼き付けた。
関東大震災直後に建てられた旧洋品店のムラカミ屋で蒸留したウイスキーのたるは、市内各地に保管場所を構えて「ウイスキーが眠る街」として発信する。蒸留所にはバーを併設し「ムーンシャイン」と呼ばれる熟成前の透明なウイスキーも提供する予定。今後は試作を重ね、7月中旬にグランドオープンする。
火入れ式では世界的ダンサーのケント・モリさんがパフォーマンスを披露し、門出を祝った。大森章平社長は「蒸留所と三島を世界に発信していきたい」とあいさつした。