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テーマ : 経済しずおか

コロナ融資「返済不安」企業12.9% 静岡県内企業 昨年比上昇、原料高響く 

 信用調査会社の帝国データバンク静岡支店が実施した調査で、新型コロナ関連融資を受けた静岡県内企業のうち、12・9%が「返済に不安を抱いている」と答え、1年前の調査と比べ3・0ポイント上昇した。価格転嫁の遅れに伴う業績悪化が背景にあり、原材料高騰がコロナ融資の返済にも影響している実態が浮かんだ。

新型コロナ関連融資の返済状況
新型コロナ関連融資の返済状況
新型コロナ関連融資の今後の返済見通し
新型コロナ関連融資の今後の返済見通し
新型コロナ関連融資の返済状況
新型コロナ関連融資の今後の返済見通し

 返済への不安の内訳は、「返済が遅れる恐れがある」(7・1%)、「金利減免など条件緩和を受けないと返済は難しい」(3・9%)、「返済のめどが立たない」(1・9%)。企業からは「輸入する部品、資材の高騰分を販売価格に転嫁できないため、返済が大変」(電気機械製造)などの声が上がった。一方、83・2%は「条件通り全額返済できる」と答えた。
 返済状況については、「未返済・今後返済開始」と答えた企業は33・5%、「返済率3割未満」が41・3%だった。いずれも全国値(各29・5%、38・7%)よりも高く、他県に比べて返済が遅れている状況を示した。「返済率5割以上」は15・5%だった。
 返済開始時期は63・2%が「既に開始」、26・5%が「2023年中」、7・1%が「24年以降」とした。
 政府や金融機関による資金繰り支援の利用状況は、「コロナ関連融資と他の融資の一本化」が28・4%と最多。1月から始まっている「借り換え保証制度の利用」は9・7%にとどまった。
 担当者は「食品関連を含めて製造業が集積する本県は、コロナ禍での売り上げ減や原材料高騰の影響度が大きい」と分析。「返済への不安感、孤立感を感じている中小経営者は少なくない。借り換え保証制度のさらなる周知と、コスト高に直面する企業の実情に合わせた丁寧な支援が不可欠」と指摘する。
 調査は2月下旬に実施し、協力した298社のうち、新型コロナ関連融資を受けたと答えた155社を対象にした。

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