昨年9月の台風15号 静岡県内農林水産業 被害は130億円超
静岡県中西部を中心に甚大な被害をもたらした昨年9月の台風15号で、静岡県内の農林水産業に関連する施設や道路などへの被害額が130億円を超えることが7日までの県への取材で分かった。国の激甚災害指定で復旧にかかる国庫補助率が上乗せされ、査定に基づき県や各市町が本年度から本格的な修復に乗り出す。
関連施設、生産物の被害額は農業77億5千万円、林業53億8千万円、水産業9千万円。農業関連で計18億2千万円の被害が出た農地は土砂の流入や流出などで崩れたわさび田24件、茶畑109件などの報告があり、農道や排水路など施設への影響も含めて「1983年以降で最大の台風被害」(県農地保全課)。農作物の被害面積は約231ヘクタールで、畜産を加えた被害額は6億3千万円だった。
林業関連では林道施設の災害が194件のほか、山地も80件、計36億円超の被害が出た。水産業の関連では飼育魚の斃(へい)死や設備の損壊、加工施設の浸水などが発生した。
農地や農道などの施設は本年度に本格的な復旧が始まり、原則3年以内に完成する予定。山地は県の復旧作業が既に一部で進んでいる。
(経済部・金野真仁)