農業はカッコイイ! 三島の若手「のうみんず」 デザイナーらとPR
三島市の箱根西麓で農業を営む若手グループ「のうみんず」は、地元のデザイナーやカメラマンとタッグを組んで農業の魅力を発信している。プロの技術でポストカードやポスター、ロゴを製作し、活動や地域を紹介する写真展も開催。「農業ってカッコイイ」。そんな思いを届けようと、若手農家の奮闘は続く。

鮮やかな緑が広がる同市川原ケ谷のロメインレタス畑で4月下旬、30代のメンバー5人がそろいのジャンパーとTシャツ姿でポーズを決めていた。地元のデザイナー岡本雅世さんとカメラマンの真野敦さんが細かな指示を出すと、5人は手を組んだり表情を変えたり。3年ぶりの撮影会は30分ほどで終わり、出来上がった写真はポスターや販売会でのポップに活用される予定だ。
のうみんずは旧JA三島函南の生産部会として10年ほど前に発足し、若手農家5~6人が生産する作物の枠を超えてさまざまなチャレンジを続けている。現在は全員が30代。3年前からは岡本さん、真野さんとともに農業の格好良さ、楽しさを伝える。代表の前島弘和さん(39)は「やっぱりプロは全然違います。発信力は農家が特に弱い部分なので」と手応えを語る。
岡本さんや真野さんとは互いに「できること」を交換する。写真撮影やデザインの技術を提供する2人には、のうみんずから市場に出荷できない規格外の「はじかれ野菜」が贈られる。それを素材にイベントを開催する岡本さんは「彼らのかっこよさは若さやイケメンだけじゃない。自ら農業の広告塔になろうとする心意気」と思いに共感する。
農業の担い手は減少の一途をたどり、特に若者の就農者は少ない。過去に会社員を辞めて実家の農業を継いだ前島さんは、「農業は楽しい。やりがいもある。自分たちを見て若い人がやりたいと思ってもらえたらうれしいですね」と語る。