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職責果たさぬ吉川赳衆院議員 本会議や委員会、大半で姿なく 病気が理由と主張

 18歳の女性に飲酒させたなどと昨年6月に週刊誌に報じられた無所属の吉川赳衆院議員(比例東海)が、開会中の通常国会で十分に職責を果たしていない状態が続いている。本会議と所属する総務委員会の場に姿のない時間帯が多く、議員にとって特に重要な役割といえる議案の採決に参加しないケースも目立つ。騒動後に議員辞職を否定し「今まで同様、積極的に活動していく」と主張したのとはほど遠い実績について、吉川氏は「病気が理由」としている。

本会議開始前に氏名標を起こしただけで自席を離れる吉川赳衆院議員=4月14日午後、国会
本会議開始前に氏名標を起こしただけで自席を離れる吉川赳衆院議員=4月14日午後、国会
吉川赳衆院議員の最近の本会議での動向
吉川赳衆院議員の最近の本会議での動向
本会議開始前に氏名標を起こしただけで自席を離れる吉川赳衆院議員=4月14日午後、国会
吉川赳衆院議員の最近の本会議での動向

 大型連休前、最後となった4月27日の衆院本会議。GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法案などの採決が行われた議場に、吉川氏は現れなかった。原発の60年超運転を可能にする同法案は中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)が立地する本県の将来に大きな影響を与えるにもかかわらず、地元の代表として賛否の意思表示をすることはなかった。
 2023年度の政府予算案が衆院を通過し、ほかの議案審議が本格化した3月以降、本会議は16回開かれた。しかし、吉川氏は半数の8回で姿を見せなかった。このうち5回は議案の採決があった。
 一方、議場に入った8回は全て、冒頭の議案採決後に退出したり、議事が始まる前に氏名標を起こしただけで立ち去ったりし、最後まで自席にいなかった。いずれも議場を出ると、敷地内に止めていた車を自ら運転し、国会を離れている。
 同じ期間に6回あった総務委員会は大半を欠席。23年度NHK予算が審議された3月16日は会議録に出席と記載されているものの、委員会室に現れたのは開会から約2時間後。最終盤の採決にのみ参加したのが実態だった。衆院事務局によると、吉川氏から総務委での質問の要望が出てきたことはないという。
 法案、政策の疑問点を内閣に問いただせる「質問主意書」は、本会議や委員会での質問時間が限られる無所属議員には貴重な手段だが、今国会での提出はゼロのままだ。
 吉川氏は静岡新聞社の取材に対し、事務所を通じて「2月から狭心症で通院していて、長時間座っていられない。必要ならば診断書を示す」とした。本会議にいなかった日時の具体的な所在、直近の活動状況、有権者への説明責任の認識などに関する質問には、回答しなかった。
欠席届不提出繰り返す 現在も多額の歳費など支給
 衆院事務局によると、衆院では議員の本会議の出席や会議途中での入退出に関する記録は取っていない。各党・会派はそれぞれの所属議員の出席を確認しているが、無所属の吉川氏の動向は事実上、周囲のチェックが効いていない。
 本会議を欠席する場合は本来、理由を添えて議長に届け出る必要がある。吉川氏が3月以降で本会議に来なかった8回のうち、欠席届を出したのは「体調不良」を理由とした4月6日のみ。ほかの7回は提出しておらず、衆院規則などに定められた手続きを取っていなかったことになる。
 吉川氏は週刊誌報道後に自民党を離党した。昨年7月にブログで釈明したものの、報道機関が再三にわたって要請した記者会見には一切応じていない。名誉毀損(きそん)を理由に週刊誌の発行元の出版社を提訴し、東京地裁で係争中。
 現在も毎月、歳費129万4000円や調査研究広報滞在費(旧文通費)100万円を得ている。6月末にはボーナスに当たる期末手当約309万5000円が支払われる。

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