⚽J2清水エスパルス 秋葉新体制「超攻撃的に」 監督解任「内容と現状で判断」
J2清水は3日、リカルド監督との契約解除を受けて、コーチから昇格した秋葉新監督の下で練習を再開した。ミーティングとトレーニングで約3時間を費やし、5日に控える敵地でのルヴァン杯湘南戦に備えた。
ミーティングは約1時間半をかけて、自身の目指す「超攻撃的にアグレッシブに戦う」イメージを伝達。グラウンドでは選手の連係プレーを改善するため、良い距離感を意識するよう強調した。
コーチとして戦いを見つめる中で、「選手たちが持っているものを100%発揮できているようには映っていない」と現状を分析。リーグ戦の7試合を振り返った上で「しっかりした攻守を見せたい」と語った。
一方、リカルド監督との契約解除について、大熊ゼネラルマネジャー(GM)が理由を説明した。J2優勝を目指して「10試合で勝ち点20」を一つの目安としていたが、及ばない状況に「試合内容と現状を把握した上で決断した」と述べた。
新たな指揮官の選定には外国人監督も候補者としたが、「足りないものを植え付けてくれる」と秋葉新監督に託した。リカルド監督を招き、今季の続投も決めた自身の責任については「責任を感じている。覚悟を持ってやる」と引き続き職にとどまる考えを述べた。
秋葉新監督の意向で、新たに野口幸司氏(52)がコーチに就任。一方、リカルド監督とともに、ブラジル人のクレーベル・サントスヘッドコーチ(43)、ファビオ・エイラスフィジカルコーチ(40)が契約解除となった。
迷走の責任 免れない
Jリーグ発足時に名を連ねたかつての名門クラブが迷走している。清水が今季も繰り返したシーズン途中での監督交代。腰を据えたチームづくりが一向に進まず、低迷に歯止めがかからない。
監督選任や選手獲得などのチーム編成は2020年から大熊ゼネラルマネジャー(GM)が主導する。哲学や手法の異なる指揮官を招いては解任するシーズンを続け、選手たちは翻弄(ほんろう)されてきた。
リカルド監督を選んだ決め手は「日本サッカーへの敬意」(大熊GM)。明確な判断基準に乏しく、長期政権を築いたことがないなど不安要素の多かった外国人指揮官を呼び寄せた決断は賭けと言えた。
結果的に就任時よりも順位を下げ、J2に降格した。一部の主力選手からは手腕を疑問視する声も漏れていたが、続投を決定。待っていたのは開幕7戦目というクラブ史上最速の解任劇だった。
同じ過ちを続けるのは、確かな展望と覚悟が欠けていることに他ならない。降格しながら今季の組織体制に一切変わりがなかったことについて「結果を出すことが一番の責任の取り方」と述べていた山室晋也社長も含め、責任の追及は免れない。