ホテルで人気、パン店の味 朝食提供、販路多様化 「ピーターパン」運営ウィンウィン
食品水産事業のいちまる(焼津市)の関連企業で、パン店「ピーターパン」を運営するウィンウィン(静岡市駿河区)が4月1日から、食事提供を一時休止していた静鉄ホテルプレジオ静岡駅北(同市葵区)で、朝食の提供を始める。店外での継続的な販売は初めて。原材料価格が高騰する中、販路を拡大して売り上げ増を図る。
最寄り店舗で当日朝に焼き上げた食パンやカレーパンなど約10種類をビュッフェ形式で提供する。焼きたてを重視して店舗のみで販売してきたが、販路の多様化が不可欠と判断した。甲賀照之社長は「生地から作る自慢の味を多くの人に知ってもらい、店舗への誘客につなげたい」と期待する。
同ホテルは2008年の開業以来、自前で朝食を用意してきたが、新型コロナウイルス禍を受けて休止し、メニュー刷新を検討していた。地元の人気店と連携してサービスを強化し、同業他社との違いを打ち出す。
静岡鉄道(同区)ホテル事業部によると、1月以降の月次宿泊客数はコロナ禍前(19年)並みの水準まで回復しているという。山本紘司副部長は「朝食は宿泊客が受ける最後のサービス。リピーター獲得につなげたい」と語る。