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大自在(3月28日)みらい甲子園

 選抜高校野球は雨天順延を挟みながらも4月1日の決勝に向け連日、熱戦を繰り広げている。コロナ禍の制約を解かれ、今年はスタンドにおなじみの応援風景が戻ってきた。
 本県の常葉大菊川は惜しくも初戦で敗れたが、声援は最後まで選手の背中を押したに違いない。吹奏楽の演奏が響き、歓声に沸き立つ甲子園の景色は見ているだけで心が弾む。
 「甲子園」という言葉は固有名詞の域を超え、若者たちが切磋琢磨(せっさたくま)し目標を目指す舞台を象徴的に言い表す。この春、SDGs(持続可能な開発目標)に関わる課題の解決に向け、県内高校生がアイデアを競う「みらい甲子園」の審査に携わった。
 20校から130チームがアイデアを寄せ、書面、動画の1次、2次審査を通過した16チームがプレゼンテーションに臨んだ。最優秀に選ばれた焼津中央高のチーム「中央TTC2」はSDGsが掲げる目標のうち「気候変動に具体的な対策を」を対象ゴールに設定し、卓球部員の視点から「ピンポン球から考えるプラスチックのリサイクル」を提案した。
 割れて廃棄されるピンポン球をリサイクルに結び付けた目の付け所、具体的なプランに練り上げた熱意と行動力。実現可能性を感じさせる提案に、今後への期待が高まった。ベスト16の中には既に試行・実装段階にあるプランもあり頼もしい。
 選抜のさなか、WBC優勝に日本中が沸いた。かつて甲子園を目指した球児らが夢を追い続けて到達した快挙。みらい甲子園に臨んだ高校生の思いも「甲子園」の先にある未来へ届いてほしい。

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