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テーマ : 政治しずおか

湧水対策 リニア田代ダム案 冬場の成立可否、JR明確にせず

 静岡県庁で20日に開かれたリニア中央新幹線トンネル工事に伴う大井川水問題を協議する県有識者会議の専門部会で、JR東海は県側の質問に回答した。工事期間中のトンネル湧水の県外流出対策としてJRが示している田代ダム取水抑制案を巡り、県は冬場の渇水期に成り立つのか懸念を示したが、JRは「(ダムを管理する)東京電力RP(リニューアブルパワー)との協議の中で決めていく」と述べるにとどめた。

県側の質問・意見に対するJR東海の回答(一部抜粋)
県側の質問・意見に対するJR東海の回答(一部抜粋)

 東電RPは冬場(12月6日~3月19日)に発電施設1台を運転するために最低でも毎秒0・81トンの取水を必要としているため、県はこの取水を考慮しても、県外流出量と同量の還元が可能かをただした。JRは明確に答えず、「流域の関係者の理解のもと、今後、東電RPとの協議の中で決めていくことになる」とした。
 JRは過去10年間の河川流量実測値を基に、「すべての日で県外流出量と同量の還元が可能」と試算した。ただ、冬場の発電施設稼働の取水を考慮した試算はなく、2021、22年の1、2月の実測値を踏まえると冬場に必要とされる毎秒2・29トンの河川流量はほとんどの日で成り立たなくなるとみられる。
 山梨県から静岡県境に向けた高速長尺先進ボーリングの湧水量について、期間を10カ月とした場合、212万立方メートルに及ぶと県が指摘したことに関しては、JRは「初期湧水量の推定式を使用していて、この式に従って10カ月間流れ続けるとする想定は適切ではない」と説明。県は過去に「ボーリングによる揚水は効果が小さい」として湧水量は少ないとの見解を示していたと指摘し、整合性の認識を「逆質問」した。

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