あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 沼津市

住民憩いの店、バスで再出発 沼津の駄菓子屋兼バー「とらちゃん」 火災で全焼、CF活用

 沼津市内浦重寺で2021年11月に発生した火災で全焼した駄菓子屋兼バーの「とらちゃん」が21日、営業を再開する。クラウドファンディング(CF)で募った資金で中古バスを購入し、店舗風に改装した。年齢を問わず地元から愛されてきた店が、念願の再スタートを切る。

住民の憩いの場だった「とらちゃん」を再開させた石津さん(右奥)。プレオープンでは多くの子どもたちでにぎわった
住民の憩いの場だった「とらちゃん」を再開させた石津さん(右奥)。プレオープンでは多くの子どもたちでにぎわった
バスの中を改装した店舗=沼津市内浦重寺
バスの中を改装した店舗=沼津市内浦重寺
住民の憩いの場だった「とらちゃん」を再開させた石津さん(右奥)。プレオープンでは多くの子どもたちでにぎわった
バスの中を改装した店舗=沼津市内浦重寺

 「悲しんでくれた子どもたちのためにも同じ場所で作り直したかった」。店主の石津太雅さん(46)は振り返る。同市で地域おこし協力隊として活動する中で、住民の交流の場をつくりたいと19年に開店。昼は駄菓子屋、夜はバーとして住民に親しまれてきたが、火災で全焼してしまった。憩いの場を復活させたいとCFに挑戦し約360万円が寄せられた。
 店舗は「秘密基地感が満載」なことから、中古バスを活用。地元の大工や住民の協力を得ながら、カウンターとイス、小上がりのスペースを作った。寄付を受けたショーケース型の冷蔵庫や、昔のテレビゲーム機、古時計などを設置し、懐かしい雰囲気を演出している。
 19日にはプレオープンを行い、再開を心待ちにした子どもたちでにぎわった。長井崎小中一貫校5年の今井野衣さん(10)は店舗の焼失前から「とらちゃん」に通っていた1人。「ゆっくりできる場所で、なくなってしまって悲しかった。バスの中で買い物ができて楽しい」と声を弾ませた。石津さんは「子どもたちがくつろいでくれるのが一番うれしい。自分一人ではなくみんなのお店になった」と充実した表情で語った。
 「とらちゃん」は不定期営業。防音対策などの準備が整うまでは駄菓子屋のみの営業とする。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

沼津市の記事一覧

他の追っかけを読む