あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 浜松市

ガラス作家夫妻 故郷浜松に工房 「若者集う場に」きらめく夢

 ガラス作家の森智広さん(43)=宮城県出身=、ワタナベサラさん(32)=浜松市北区出身=夫妻が、同区引佐町奥山に「奥山硝子工房」をオープンした。山間部を拠点に制作活動に取り組み、吹きガラスの制作体験も展開する。「若い世代が気軽に集まるにぎわいのある工房にしたい」と意気込む。

ワイングラスの制作に取り組む森智広さん(右)とワタナベサラさん=10日、浜松市北区引佐町の奥山硝子工房
ワイングラスの制作に取り組む森智広さん(右)とワタナベサラさん=10日、浜松市北区引佐町の奥山硝子工房

 10日午後、緑に囲まれた土地に建つ工房でワイングラスの制作に汗を流す森さんの姿があった。2006年にワーキングホリデーで訪れた海外でガラス工芸にひかれ、17年から働いていた富山県の工房でワタナベさんと出会った。2人で独立を決断し、21年に結婚。「のどかな場所で制作に没頭できる」と、ワタナベさんの出身地の奥山地区を拠点に選んだ。
 森さんは色付きガラスや金箔(きんぱく)で色鮮やかに仕上げるスタイルが特徴。対照的に、透明にこだわりを持つワタナベさんは、砂を吹きかけるサンドブラストや絵の具でイラストを描いた作品を手がける。
 工房では、併設したショップで食器類やアクセサリー、オブジェなどを展示販売するほか、グラスや花器の制作体験を通じてガラス工芸の魅力を伝える。森さんは「溶けた柔らかいガラスを間近で見ることはめったにない。作品が完成した時の達成感を味わってほしい」と話す。
 ワタナベさんにとって奥山地区は、大学に進学して以来14年ぶりに帰ってきた故郷。昔と変わらない自然豊かな風景に安心感を覚えたという。「高齢化が進む中、カフェなど若者が楽しめるお店もできていた。奥山硝子工房も幅広い世代が集う場所にしていきたい」と思い描く。

 

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

浜松市の記事一覧

他の追っかけを読む