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酷暑や干ばつ対策 植物活性剤 静岡商議所外郭団体と静岡大開発 インドで販売へ

 静岡商工会議所の外郭団体「新産業開発振興機構」と静岡大で開発した高機能植物活性剤サーモザイムが、インドで酷暑や干ばつによる作物の生育不良に頭を悩ます農家向けに発売される方向で準備が進んでいる。同商議所の担当者は「機構の成果を世界に売り込む第一歩。農業の持続可能性向上に寄与できれば」と期待する。

植物の高温や乾燥への耐性を向上させるサーモザイム
植物の高温や乾燥への耐性を向上させるサーモザイム

 サーモザイムはケシ科の野草タケニグサから抽出したエキスで、植物のストレス耐性を高める特殊なタンパク質生成を促す効果がある。土や苗に散布すると、高温や少雨などの環境下でも植物栽培が可能になるという。最適な生育環境を整える設備投資や、耐暑性を高める品種改良よりも手軽な手段とされる。
 2014年の開発以来、国内では肥料製造販売の富士見工業(静岡市駿河区)が商品化し、各地のJAを通じて農家に販売する。同機構は農業大国や酷暑地域での展開を視野にフランスやオーストラリアなど4カ国で特許を取得していたが、新型コロナウイルス禍で販売代理店探しが中断していた。
 インドでの販売はサプリメントの研究開発などを手がけるオクトロール(兵庫県)が担う。同社の田中啓之社長が同機構の開発担当者と知人関係で、海外展開の担い手として名乗りを上げた。半年から1年後の発売を目指し、市場調査を行いながらサンプルを現地に送り、効果を確認している。
 田中社長は「海外では植物由来のサーモザイムのような低環境負荷の農業資材への関心が高まっていて、一定の需要が期待できる」と語る。

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