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生活の知恵や信仰 綿密に調査 浜名高史学部、研究成果発表

 浜名高(浜松市浜北区)の史学部が11日、同市天竜区などで調査した研究成果の発表会を同区の二俣協働センターで開いた。同区二俣町鹿島の金貸水神社の研究は、地元住民による案内看板の設置にもつながり、発表後に生徒が現地を訪れた。

生徒の研究を契機に設置した看板を生徒に案内する鈴木さん(右)=浜松市天竜区二俣町鹿島
生徒の研究を契機に設置した看板を生徒に案内する鈴木さん(右)=浜松市天竜区二俣町鹿島

 約1年をかけた2グループの研究成果を地元住民約20人の前で披露した。磐田市草崎地区を調査した班は、天竜川下流域で受け継がれてきた防災と暮らしの知恵について紹介。防風・防火の役割を果たした住宅の槙(まき)囲いなどの事例から、地域特性に応じた生活文化を再評価した。
 病気を担保に借用証文を書き、水神様に借金を申し入れる信仰がある金貸水神社を調べた班は、文献調査や地元住民への聞き取りを実施。無尽講の文化や水難防止、鎮魂を目的に近隣で営まれた「祇園祭」と信仰との関連を突き止めた。玉ノ木梓純部長(2年)は「非常にユニークな信仰と伝説。ただ散逸した史料も多く、その保存と継承が大事だと再認識した」と総括した。
 同神社を末社に持つ椎ケ脇神社総代会は、生徒による伝承の発掘を契機にその価値を再認識した。同会は発表会前日、神社手前に高さ約2・7メートル、幅約90センチの案内看板を設置した。生徒に看板を案内した総代の鈴木悟さん(71)は「生徒の熱心な研究で分かったことが多くあった。これを機に地元でもPRしていきたい」と感謝した。

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