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テーマ : 政治しずおか

ベテラン引退で混戦模様 静岡市葵区は新人次々/清水区はふじの空席奪取に死力【県議選 注目区 統一地方選㊥】

 静岡市葵区、清水区選挙区は強固な地盤を誇るベテラン県議が引退し、空席ポストを巡り激しい攻防が予想される。好機を逃すまいと新人が次々参戦し、迎え撃つ現職は議席死守に懸命。与野党の立候補予定者がひしめき、さながら国政選挙の様相を呈している。
 定数5に対し、現職と新人、元職の計8人が出馬を予定する静岡市葵区選挙区。山田誠氏の市長選転出が引き金となって新人らが次々に名乗りを上げ、与野党が激しくぶつかる県内屈指の激戦区となる見通しだ。
 かつて3議席を獲得し、県都での2議席確保は至上命令の自民。前回選は1、2位を独占したが、内閣支持率の低迷で逆風が吹き、山田氏の地盤も引き継がれなかった。元市長、元県議の天野進吾氏を父に持つ天野多美子氏は支部推薦を受けるものの、自民市議の多くは公認候補の天野一氏の支援に軸足を置く。天野多氏の陣営は地元を固めつつ、企業や自治会を回って支持拡大を狙う。
 天野一氏は「有権者の選択肢が増えるのは良いこと」と与野党の混戦を歓迎。天野多氏と票を分け合うことはせず、後援会をフル回転させ上積みを目指す。公明は現職の引退を受け新人の山本彰彦氏が出馬。市議6期の人脈を生かし市内全域での支持拡大を図る。
 注目が集まるのは山田氏が前回選で獲得した1万8千票余りの行方。多くは自民に流れるとの見方がある一方、新人は切り崩しに向けて攻勢を強める。「草刈り場になる」。衆院選の出馬経験がある遠藤行洋氏と元市議の斎藤佳代氏は市北東部に積極的に足を運び、浸透を図る。
 議席死守を掲げて現職も懸命だ。6選を目指す小長井由雄氏は地盤の中山間地を足場に無党派層の取り込みを図る。共産の鈴木節子氏は党を挙げての支持固めに走る。
 初の議席獲得を目指す維新は2日に元市議の平島政二氏の出馬会見にこぎ着けた。出遅れによる知名度不足は懸念材料だが、反自民票の取り込み、浮動票の獲得を狙う。各陣営は「国政選挙の勢いが静岡でどこまで発揮されるのか」と警戒を強める。
       ◇
 川勝平太知事に近い県議会会派ふじのくに県民クラブのベテラン中沢通訓氏と林芳久仁氏が今期限りで引退する静岡市清水区選挙区(定数4)。空席となった2議席を巡る争いは、県政運営にも大きな影響を及ぼす可能性がある。
 中沢氏の後任と目されていた静岡市議は出馬を見送った。林氏の後継は大阪市出身の新人中山真珠氏。国民民主党本部の公募を経て、昨年11月に出馬表明した。これに対し、2011年の県議選以降1議席にとどまる自民党が21年の県議補選で初当選した望月香世子氏に加え、新人伊藤高義氏を擁立した。
 川勝知事と衝突し、知事不信任決議案可決に必要な議席の上積みを図る自民。清水区は函南町と並び、「ふじの議席を奪取できる重要選挙区」(県連幹部)と鼻息が荒い。ただ、伊藤氏の地盤は弱く、先の保守対決した県議補選で望月氏に敗れた元市議が庵原地区の農協や元支援者の企業を一緒に行脚。自民で2議席達成を目指す。
 一方、議席死守を課せられた中山氏も知名度ゼロからのスタート。推薦する連合静岡に加盟するメーカーの労働組合は、内部の集会に呼ぶなど「浸透のためフル稼働している」(幹部)。
 公明党の盛月寿美氏は創価学会や高校同窓会の関係者らに4選堅守を訴える。前回選で立憲民主党から出馬し、今回は無所属で挑む松井優介氏は桜ケ丘病院の移転問題で活動する市民団体などの支援を求めている。
 (統一地方選取材班)

 立候補予定者
 ▽静岡市葵区(定数5)
 天野一 80自現⑨
 小長井由雄 69無現⑤
 鈴木節子 68共現①
 遠藤行洋 61無元②
 平島政二 63維新
 山本彰彦 58公新
 天野多美子 51無新
 斎藤佳代 39無新
 ▽清水区(定数4)
 盛月寿美 55公現③
 望月香世子 42自現①
 伊藤高義 46自新
 中山真珠 27国新
 松井優介 39無新

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