あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 政治しずおか

熱海土石流 起点の残存土砂撤去開始 静岡県代執行、5月完了目指す

 静岡県は28日、熱海市伊豆山の大規模土石流の起点付近に残る不安定土砂の撤去、搬出作業を開始した。前土地所有者の不動産管理会社(神奈川県小田原市)に代わり行政代執行として実施し、5月末ごろまでに撤去完了を目指す。土石流から間もなく1年8カ月。被災地の復旧復興の前提となる工事がようやく本格的に動き出した。

重機による土砂の搬出作業が行われる土石流の起点付近=28日午前9時ごろ、熱海市伊豆山(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
重機による土砂の搬出作業が行われる土石流の起点付近=28日午前9時ごろ、熱海市伊豆山(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
土石流の起点付近から撤去した不安定土砂を搬出する現場=28日午前9時ごろ、熱海市伊豆山
土石流の起点付近から撤去した不安定土砂を搬出する現場=28日午前9時ごろ、熱海市伊豆山
重機による土砂の搬出作業が行われる土石流の起点付近=28日午前9時ごろ、熱海市伊豆山(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
土石流の起点付近から撤去した不安定土砂を搬出する現場=28日午前9時ごろ、熱海市伊豆山

 県によると、撤去する土砂は約2万立方メートル。行政代執行は昨年10月に始まり、これまで現場の伐採や測量、崩落箇所の上部と谷底に進入する2本の工事用道路を整備してきた。現場は土質が悪く足場が弱いため、工事計画の変更や調整に時間を要した。
 28日は、起点の上部から掘削した土砂を大型土のうに詰め、ダンプカーで熱海港の仮置き場に搬出した。谷底では土砂の流出を防ぐ土留めの設置工事が進められた。県によると、撤去対象の土砂には土壌汚染の基準を上回るフッ素や鉛が検出されているため、運搬や仮置きの際に飛散しないよう、土のうやシートで覆う。搬出作業は原則として平日午前8時半~午後5時に行い、ダンプカーで1日に40~60往復する。
 行政代執行には土砂の処分費を含め約14億円を要するとみられ、県は前所有者に請求する方針。一方、前所有者は土砂の撤去を命じた県の措置命令を不服とし、静岡地裁に取り消しを求める訴訟を起こしている。
 起点から約1キロ下流の被災地は今も立ち入りが原則禁止の警戒区域になっている。市は不安定土砂の撤去完了と新たな砂防ダムの完成を条件に、警戒区域を夏の終わりごろをめどに解除する予定だ。県熱海土木事務所伊豆山地区復興支援課の池谷拓巳課長は「二度と災害が起きないよう安全に注意しながら施工する。住民の不安を取り除き、逢初(あいぞめ)川流域の安全を確保したい」と話した。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

政治しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む