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ダイビング客向けシャワー室再建 伊豆山港復興へ大きな一歩 地元漁師「笑顔集まる場所に」 熱海土石流

 熱海市伊豆山の大規模土石流で全壊し、再建工事が進められていた伊豆山港のシャワー室が4日、完成した。主にダイビング客が利用する施設で、漁師らが港の復旧復興の象徴にしようとクラウドファンディング(CF)で資金を募り、再建にこぎ着けた。土石流で倒壊した施設が復活した初の事例で、漁師は「大きな一歩」と喜びをかみしめた。

完成したシャワー室の前で地域の復興を祈願する関係者=4日午前、熱海市伊豆山
完成したシャワー室の前で地域の復興を祈願する関係者=4日午前、熱海市伊豆山
土石流が直撃し全壊したかつてのシャワー室=2022年3月
土石流が直撃し全壊したかつてのシャワー室=2022年3月
完成したシャワー室の前で地域の復興を祈願する関係者=4日午前、熱海市伊豆山
土石流が直撃し全壊したかつてのシャワー室=2022年3月


 2021年7月3日の土石流は、起点から約2キロ離れた伊豆山港にまで到達した。シャワー室は土砂が直撃し、壊滅的な被害を受けた。港内に堆積した土砂の撤去は行われたものの、ダイビング客を迎えられない状況が長く続いていた。
 地元漁師でつくる伊豆山漁業会は昨年、「元の港に戻して笑顔が集まる場所に」との思いでCFを実施し、400人以上から約690万円が寄せられた。県や市の補助金、大熱海漁協に寄せられた寄付金も活用し、昨年10月から再建工事を進めてきた。建設費は2200万円。
 新たなシャワー室には10台のシャワーとトイレ4基があり、12日から稼働する。今後、一般観光客などが使えるトイレや同会の事務所も設置する予定だ。
 4日はシャワー室前で神事が行われ、漁師や関係者が港と地域のさらなる復旧復興を祈願した。同会の松本早人代表(47)は「復興の第一歩が踏み出せた。港の復旧は70%ぐらいまで進んだと思っている。ただ、港内には(土石流の)残留物がまだある。仲間と一緒に潜って回収し、被災者の思い出の品などを見つけられたら」と話した。
 (熱海支局・豊竹喬)

 

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