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甘い「砂丘大根」浜松の名物に 溶融ごみから有害物排除「スラグ」肥料に 都内の企業が栽培実験

 溶融炉プラントメーカーの日鉄エンジニアリング(東京)は清掃工場の溶融スラグを肥料に桜島大根を育てる実験を浜松市南区白羽町の畑で行い、4日に地元農家らを交えた収穫会を開いた。大きく食味の良い実ができ、「砂丘大根」と名付けて名物化を目指す方針を確認した。スラグは米や海藻の肥料として広まりつつあるが、野菜の栽培に使う例は珍しい。

砂地の畑で栽培した重さ約10キロの桜島大根=浜松市南区白羽町
砂地の畑で栽培した重さ約10キロの桜島大根=浜松市南区白羽町

 ごみを溶融し有害物を除いたスラグは、植物の生育を助けて窒素吸収を促すシリカなどの成分を含んでいる。同社資源化推進室の関勇治マネジャーらが鹿児島に似て日照豊富な浜松の気候に注目し、約300平方メートルの砂地の畑で桜島大根の栽培に挑戦した。2年目の今年は高い畝とマルチシートで地温を高め、重さ6~10キロまで成長させた。
 農家、市関係者ら約20人が試食。切り分けた断面から蜜がにじむみずみずしさで、「甘い」と驚きの声が上がった。関マネジャーは「資源を有効活用して付加価値の高い作物を生み出す試み。技術をオープンにして多くの人に栽培してもらい、地域の名産品にしていければ」と話した。

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