⚽鹿児島キャンプ「静岡ダービー」で打ち上げ 3ー1、清水が磐田に勝利
J2の磐田と清水は、鹿児島市の白波スタジアムで練習試合(45分4本)を行い、清水が合計3-1で勝利した。同日、両チームは鹿児島キャンプを打ち上げた。
清水は1本目にFWディサロ燦(あきら)シルヴァーノの連続ゴールで2点を先制。2本目にはFWチアゴサンタナがMF乾貴士の巧みな縦パスを受けて流し込んだ。1、2本目に主力級をそろえ、二つのシステムを使い分けた。
磐田は主力級が出場した1、2本目は相手に球を保持される時間帯が長く、前線からの守備が機能せずに3点を失った。攻めてもゴール前の精度を欠いて無得点だった。4本目6分にCKのこぼれ球をFW吉長真優が合わせて1点を返した。
▽練習試合(45分×4本)
清水 3(2-0 1-0 0-0 0-1)1 磐田
▽得点者【清】ディサロ2(PK、カルリーニョス)、チアゴサンタナ(乾)【磐】吉長
※カッコ内はアシスト
新布陣3バックに手応え 前掛かりな守備で優位に
清水は新たに3バックの布陣を1本目に試し、2点を先取。基本システムの4―4―2に戻した2本目でリードを広げ、リカルド監督は「自分たちのテンポを出すことができた」と一定の手応えを示した。
新布陣はディサロを最前線に、後方に西沢とカルリーニョスを置く3トップを組んだ。3人が相手の最終ラインのパス回しに圧力をかけ、両サイドではウイングバックの岸本と吉田が球の出しどころを抑えた。前掛かりな守備でボールを回収し、優位に試合を運んだ。
1本目29分の2得点目もプレッシングが奏功。敵陣ゴール前で相手のパスをカットし、カルリーニョスからボールを受けたディサロが巧みに流し込んだ。「前から何回もボールを奪え、練習の成果が出せた」とうなずく。
4バックの相手に3トップをぶつけることで、ボール保持時には相手守備陣に的を絞らせないポジション取りも可能になる。鹿児島キャンプの途中から本格的に練習を始めた新たな挑戦に、DF吉田は「いろんなオプションを持つことは良いこと」と前向きだ。
一方、選手を替えて4バックで臨んだ2本目は前線からの守備は控えめで、異なる戦い方での課題も見えた。指揮官は「両方のシステムで修正しなければいけない点はあった」と完成度のさらなる向上を見据えた。
ライバル清水に完敗 切り替え、球際で圧倒
J1昇格へのライバル清水に完敗した。磐田は横内監督が重要課題に挙げていた攻守の切り替えや球際の強さでも宿敵に圧倒され、主力級が出場した1、2本目で3失点。大分戦に続いてJ2上位候補にまたも歯が立たずに、開幕に向けて不安が残るキャンプの最終実戦となった。
攻守に課題が山積だ。深い位置に下がって対応したFW大津が相手を倒し先制点を許すPKを与えたのは、前線からの守備が機能しなかったのが原因。さらに8分後にはショートカウンターから追加点を奪われ、昨季から続く悪い流れを断ち切れなかった。
主力級の攻撃陣が無得点だったのも深刻だ。FWファビアンゴンザレスは契約問題による処分でシーズン序盤に出場できるのか不透明。エース候補で1本目から先発したFW杉本は、MF針谷のFKのこぼれた球を頭で狙ってバーをたたく惜しいシュートはあった。だが、最前線で満足な仕事ができず2本目20分過ぎに退いた。
練習試合での大敗とはいえ、開幕は2週間後に迫る。指揮官は「切り替えも球際もまだまだ足りないが、選手は意識している。このベースがないと戦術すら成り立たない」と発展途上を強調。主将のMF山田は「まだチームの完成度は低い。我慢して磨き上げてシーズンを通して戦う」と改善の糸口を模索する。この試合を糧に開幕までに不安を払拭(ふっしょく)できるか。