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「詩の心」感動が生む 静岡県詩人会例会 佐相憲一さん講演

 静岡県詩人会(中久喜輝夫会長)は、年始恒例の「ポエム・イン・静岡」を静岡市駿河区の県男女共同参画センターあざれあで開いた。詩人で編集者、ライターの佐相憲一さんが「詩という事件」と題して講演した。自作詩の朗読と解説を交え、詩の送り手と受け手との関係性を論じた。

講演を通じて「詩の心」のありかを探った佐相憲一さん=静岡市駿河区の県男女共同参画センターあざれあ
講演を通じて「詩の心」のありかを探った佐相憲一さん=静岡市駿河区の県男女共同参画センターあざれあ

 昨年発刊した「サスペンス」に収録した「うすくれないの帰り道」「電子体温計」「漁村」などを読み上げ、「詩の心」のありかを探った。「散文的意識の積み重ねの中で魂を揺さぶられる瞬間。大切な何かを他者と共有した瞬間。世界そのものが自分の中で声を上げる瞬間。それが詩の心だと思う」と考察した。
 詩を芸術の「ジャンル」として固定的に捉えることに疑念を呈した。「『詩の心』は誰の心にも生じうる。そこに気が付くか、表現するかどうか」とした。優れた映画、演劇やスポーツに心が動いた場面を例に挙げ「強い感動は『詩の心』が発生している瞬間だ」と説いた。
 妻の緑内障手術を契機に書いた「あおそこひ」を引いて自身の創作態度に言及し「痛み、切実さ、愛の伝承法である詩に生かされている。『詩の心』があれば豊かに生きられる」と結んだ。
 イベントでは会員の朗読も行った。金指安行さん、たいいりょうさん、松本真理子さん、大石嘉美さんが自作詩を披露した。

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