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静岡・清水区うどん店に支援続々 3月営業再開目指しCF 台風15号被災から再生へ

 台風15号の影響で床上1メートル以上の浸水被害に遭い営業できなくなった静岡市清水区高橋のうどん店「げんき」が3月下旬の再開に向け準備を進めている。テイクアウト用の冷凍鍋焼きうどん製造のため1200万円の投資をした直後の被災で資金難に陥った。クラウドファンディング(CF)を行ったところ支援者が現れている。

台風15号で浸水被害を受けた直後の「うどん屋げんき」店内=静岡市清水区高橋(松波さん提供)
台風15号で浸水被害を受けた直後の「うどん屋げんき」店内=静岡市清水区高橋(松波さん提供)
松波岩徳さん
松波岩徳さん
台風15号で浸水被害を受けた直後の「うどん屋げんき」店内=静岡市清水区高橋(松波さん提供)
松波岩徳さん

 「讃岐でも稲庭でもない延びのある細打ち麺がうちの特徴」。店主の松波岩徳さん(49)は話す。地元産のスダチを使った冷やかけうどんが人気で、20席ある店内の前には昼時に行列ができた。
 店があったのは、巴川からあふれる泥水による浸水がひどかった地域。周辺駐車場に止めてあった車は水没。店内にも泥水が入り込み、冷蔵庫やテーブル、器などは全て使えなくなった。
 自宅は浸水被害はなかったが、生活の糧を失った。救いだったのは、常連客らが店内の泥のかき出しを手伝ってくれたことだった。CFを始めたのも客からの提案。今月中旬にスタートし、800万円以上が集まった。
 石川県出身で東京都内の料亭で修業をした松波さん。水の良さに引かれ清水に移り住んだ。2008年の開業当初は毎日10人程度の来客だった。消防団に所属するなどし、地元の知り合いが増えた。
 「『げんきのうどんが食べられなくて残念』と言ってくれるお客さんのために清水で店を再開したい」という松波さん。浸水被害を避けるため適当な物件を探し、ようやく清水区草薙一里山に見つけた。
 CFの返礼は冷凍鍋焼きうどんなど。従業員も探しているという松波さんは「店の名前通り、地元で長く店を開けていけたら本望」と前を向く。

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