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郷土料理ヒントに「森島おはぎ」 食感に米屋のこだわり 森島米店(伊豆市)【静岡ものづくり最前線】

 伊豆市の天城湯ケ島地区に伝わり、文豪の井上靖も愛したとされる「塩おはぎ」をヒントに開発した。米店としてもち米の調理方法にこだわり、粒をしっかりと残して米を食べている食感を得られるようにした。

郷土料理をヒントに開発した「森島おはぎ」
郷土料理をヒントに開発した「森島おはぎ」

 開発のきっかけは新型コロナウイルスの感染拡大。団体活動やスポーツイベント向けに提供していた主力の仕出し弁当事業の需要が激減した。数百個単位の注文が入っていたこともあり売り上げはほぼ半減した。
 苦境を乗り越えようと新商品の検討を始め、森嶋昭仁代表(43)が「米屋だから米をおいしく食べてもらいたい」との思いからおはぎの開発を思い付いた。全国各地の繁盛店を訪れ、販売ノウハウやブランディングを学んだ。構想開始から1年以上試作品を作り続け、2021年9月に販売を始めた。
 1個120グラム前後で、もち米は県内産の「葵美人」を使用。口の中にあんこの香りだけが残り、甘さがくどくならないような口溶けの良い小豆の炊き方にこだわる。
 百貨店の催事などでは1日1500個以上売れることもある。生産能力向上と見学機能を設けるため、1~3月に工場を改修し、3月の彼岸ごろから販売を再開する。森嶋代表は「郷土料理の価値を見直した商品。伊豆に来てもらうきっかけになれば」と期待する。

 企業情報 伊豆市青羽根349。昭和初期に事業開始。従業員15人。 

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