造成業者2社を刑事告発 函南町 盛り土、条例違反の疑い
函南町の仁科喜世志町長は27日の定例記者会見で、同町丹那の山中に不適切な盛り土を無許可、無届けで造成した静岡県内の事業者2社を町条例違反の疑いで三島署に刑事告発したことを明らかにした。
告発は11月30日付。同町丹那地区では広さ1500平方メートル前後の盛り土が4カ所に点在し、1カ所は直下100メートルほどの距離に約30世帯の住宅地が広がっている。町などによると、2019年の台風19号で崩れた復旧作業として県東部の業者が現場に入り、大量の土砂を運び込んで盛り土を造成したとみられる。昨年6月に安全な地形への回復を指示する措置命令を発出したが改善が見られず、仁科町長は「集落の真上にあり、安全安心な生活を営むことが難しい」と告発の理由を説明した。
原状回復については「あくまでも第1原因者による回復の望みは捨てない」としつつ、県による告発や県条例に基づく行政代執行の可能性にも期待を示した。