浸水被害の裾野市民文化センター 存続前提に改修へ 市方針
スプリンクラーによる浸水被害が発生した裾野市民文化センターについて、市は26日までに、施設の存続を前提に一部の改修工事を始める方針を決めた。2023年度は暫定的に浸水被害のあった大ホールを除いて運営。大ホールの今後の方針は市が設置した事故調査委員会の結果などを踏まえ、同年度中に決定する。
浸水被害を受け、市は一度は「現状のままの存続」と決めた施設の方向性を未定とし、「閉館」と「大ホール以外を存続させる」を含めた3案を再検討していた。市幹部によると、市内にはイベントに使用できるホールが少ないことから、市民サービス維持などを目的に閉館の可能性はなくなったという。
センターの二つのホールはともにつり天井落下防止の改修工事が必要で、現在は使用を中止している。このうち、収容人数344人の多目的ホールは来秋の供用再開を目指し、23年3月までに改修工事を始める。
収容人数1200人の大ホールはスプリンクラーの作動原因が不明のため、使用中止を継続。多目的ホールの再開までは会議室と図書室のみの開館とする。
両ホールとも当初は改修工事を経て、同年夏の運用再開を計画していた。大ホールは照明や音響機器、コンサートピアノ、幕類などが水をかぶり、改修費に加えて多額の復旧費が必要になっている。
スプリンクラーは管弦楽団「シンフォニエッタ静岡」(焼津市)の公演前に作動し、同楽団も楽器やケース、楽譜などが浸水被害に遭った。