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お茶の香り、カタールに 静岡・梅ケ島産「本物はうちだけ」 現地経営者ジャボールさん、カフェで提供

 【ルサイル=静岡新聞社特派員・市川淳一朗】サッカーのワールドカップ(W杯)が開催されているカタールで、日本茶の普及に熱心に取り組む人がいる。現地人のジャボール・アルマンアイさん(34)。静岡市葵区の梅ケ島地区で生産された茶を自身の経営する店「ノースカフェ」で提供し、日本の食文化を発信している。

来店客に日本茶を紹介するジャボールさん(右)=15日、ルサイル
来店客に日本茶を紹介するジャボールさん(右)=15日、ルサイル
カフェの入り口に置く日本語を記した看板=15日、ルサイル
カフェの入り口に置く日本語を記した看板=15日、ルサイル
来店客に日本茶を紹介するジャボールさん(右)=15日、ルサイル
カフェの入り口に置く日本語を記した看板=15日、ルサイル

 ジャボールさんは幼い頃にテレビ番組の影響で日本に興味を持ち、留学した米国の大学では副専攻で日本語を学んだ。母国に戻り、公務員として働きながら日本を定期的に訪れていた中、日本茶と出会った。
 きっかけは3年前、梅ケ島の茶園再生や地域活性化に取り組む斎藤雅子さん(66)=静岡市出身=と共通の知人を介して知り合ったことだった。実際に茶農家の元を訪れ、収穫も体験。ちょうど日本をテーマとしたカフェの出店を計画していた最中で、魅力を感じてメニューへの採用を決めた。
 以降、斎藤さんを通じて取り寄せた梅ケ島産の緑茶や抹茶、ほうじ茶をラテなどの飲料として店で扱う。抹茶はカタールの人々にも知られるが、使用されているのは中国産やタイ産。「“本物”を出しているのは自分の店だけ」と胸を張る。
 店舗は首都ドーハの北隣に位置する都市ルサイルのオフィスビル1階にあり、ビジネスマンなどが利用する。ただ、甘い飲み物を好む現地の人にとって、緑茶はまだ「ダイエット目的のもの」と認識されているという。より多くの人に飲んでもらうため、クッキーやケーキに添えるなどの提供方法を思案する。
 店の入り口に置く看板には日本語を記すなど、日本への愛着にあふれるジャボールさん。「アラブと日本の文化は似ている。カタールで日本の良さを伝えたい」と目を輝かせる。静岡への再訪も計画中だ。

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