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テーマ : 選挙しずおか

統一地方選まで半年 静岡、浜松両政令市長選 動き急加速

 2023年4月に予定される統一地方選まで半年となった。静岡県内では県議選と6市町の首長選、14市町議選が行われる見込み。このうち、静岡、浜松両政令市長選は10月半ば、出馬を巡る動きが相次いで表面化した。静岡市長選は4選を目指す現職と、有力新人2人の3人が出馬を模索し、浜松市長選は4期目の現職が今期限りで退く見通しで、自民党関係者や一部の経済人が同市出身の官僚の擁立を急ぐ。

 

静岡 3氏が水面下で火花 政財界駆け引き

 21日に退職願を出し、11月初旬にも静岡市長選への出馬を表明する見通しの県理事難波喬司氏(66)。これまで現職の田辺信宏氏(61)に近かった有力経済人が、難波氏の後援会長に就くとの観測が広がり、市内の政財界をざわつかせた。
 関係者によると、この経済人は10月中旬、田辺氏に4選出馬断念を進言したとされる。主に清水区で難波氏擁立の期待が高まり、同区の経済界有志を中心に水面下の動きを加速させている。ただ、選挙戦の実動部隊となる具体的な支援体制は見えてこない。
 「頑張るだけだ」。難波氏の出馬意向の報道を受け、田辺氏は21日、自らの4選への意欲を市議会最大会派、自民党市議団の一部議員に改めて伝えた。市議会11月定例会で、同会派の代表質問に答える形で出馬表明を見込む。同会派幹部の1人は田辺氏支持を強調し「相手が相手だけに、一層引き締まる」と戦意を隠さない。台風15号で大規模断水が発生した清水区の住民を中心に現市政への批判は強い。「厳しい選挙戦になる」と田辺氏も同会派も覚悟する。
 「静岡市を変えなければならない」。9月に市長選への出馬意欲を明らかにした自民党県議の山田誠氏(60)は、田辺、難波両氏周辺の動きを横目に、11月中の出馬表明に向け準備を進める。21日、山田氏のもとへ田辺氏支持の自民静岡支部の幹部らが訪ねた。挙党態勢をつくるための話し合いとみられる。山田氏はその後の取材に「出馬の意思は変わらない」と答えた。
 三者三様の状況下で関係者が神経をとがらすのは川勝平太知事の動向。2019年の前回選では、当時、副知事で出馬が取りざたされた難波氏は、最終的に立候補を見送った。田辺氏は自民の全面支援を受け3選したものの、知事が応援した対立候補に追い上げられた。
 自民静岡支部の幹部は「難波氏の背後に知事が見え隠れする」と警戒する。一方、県幹部からは「2人の距離感は前回選ほど近くない」との声も聞かれる。

 

浜松 自民と経済界一部が連携 候補一本化目指す

 浜松市長選に不出馬を検討していることが明らかになった4期目の現職鈴木康友市長(65)は早ければ来週にも記者会見を開き、正式に態度を表明する見通しだ。総務省都道府県税課長の中野祐介氏(52)=同市出身=の擁立を進める自民党と市内経済界関係者の一部は、現職の不出馬表明を受けて作業を加速させる。
 自民と連携しているのは鈴木市長を支援してきた有力者ら。鈴木市長の進退を見定めながら後継を模索する中、自民会派が過半数を占める市議会との「ねじれ」の解消を狙い、今回は対立を避ける方向にかじを切った。
 自民は地元ゆかりの政治家や官僚、行政経験者、民間人など複数の中から、“自民色”が薄く、地方行政に精通し、国とのパイプ役を期待できる中野氏を候補者に絞り込んだ。経済界関係者の1人は「最終的に市内政財界が幅広く支援する『オール浜松』の形に発展させたい」と語る。

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